こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。
突然ですが、あなたは「檀家」に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
- 費用だけ掛かってデメリットしかない。
- 離檀する時には高額な離檀料が掛かる。
現代では上記のようなネガティブなイメージが強いかもしれません。
しかし、檀家には檀家のメリットが確かにあります。
そこで今回は、葬送サービス会社で働いていた私が実際に感じた檀家のメリット・デメリットをお伝えします。
- そもそも檀家とは何か
- 檀家になる方法
- 檀家として掛かる費用と相場
- 檀家のメリット
- 檀家のデメリット
編集長「こまど」の実績
- 年間10,000件以上の葬送サービスのご相談を対応
- 年間3,000件以上のお坊さん(僧侶)の派遣実績
檀家とは
檀家(だんか)とは特定のお寺に所属している家を指します。
所属しているお寺のことを菩提寺(ぼだいじ)、もしくは檀那寺(だんなじ)と呼びます。
檀家は「個人」単位ではなく「家」単位で所属するため、「我が家は先祖代々この寺の檀家です」ということが当たり前のように起こります。
逆に、自分は全く知らなかったが両親に聞いたら菩提寺がいたということもあります。
また、現代では核家族化が進み、先祖代々住んでいた土地を離れて暮らすことも多くなったことで田舎の菩提寺と接する機会もなくそのまま疎遠に…ということも起こっています。
では、そもそも日本における檀家という概念がいつから始まったのでしょうか。
檀家という言葉が使われだしたのは鎌倉時代からと言われていますが、この時代の檀家は一部の人と一部の寺院との間における自然発生的な関係でした。
しかし、江戸時代になると檀家になることが強制されます。
江戸幕府がキリスト教を排除するために「寺請制度(てらうけせいど)」というものを制定しました。
これによって、全ての人は寺院の檀家になることが法的に強制されました。
檀家は菩提寺に対しお布施を支払い、菩提寺は檀家に対し寺請証文を発行し、その家がキリシタンではないことを証明していました。
菩提寺は檀家を台帳で管理していましたが、事実上この台帳が今でいう戸籍謄本や住民票の役割を果たしていたのです。
現代では檀家になることを強制する法律はありませんが、先祖代々から檀家・菩提寺の関係にある場合、その関係が今でも継続しています。
もちろん、自分の代から檀家になるという家もありますが、増える檀家よりも減る檀家の方が多いようです。
檀家が減るとお寺の収入も減るため、本堂もなかなか修理ができないと嘆いているお坊さんもいました。
1つは会社側からアプローチをし、協力をお願いして登録をしてもらったパターン。
こちらのパターンのお寺は檀家も多く多忙なため、空いている時間でなんとか協力をしてもらっている形です。
もう一つのパターンがお寺の方から「登録したい」という問い合わせが来るパターン。
こちらは「檀家が減ってしまい、収入面が苦しいので仕事が欲しい」とお寺の方から派遣サービスへの登録を希望するパターンです。
檀家が減ったと言っても決してお寺に問題があるわけではありません。
檀家になるためには
檀家になるにはお寺と契約をすることになります。
契約…と言っても形式は様々です。
契約書という形できちんと書面で檀家契約や墓地使用契約を結ぶ場合もあれば、口約束と檀家としての費用の支払いをすればOKという場合もあります。
よく「契約書も無いのになぜ離檀料を請求されないといけないんだ!」という檀家さんの怒りの声を聞きました。
古くから檀家になられている家の場合、お寺との契約書は無いことがほとんどのようです。
契約と併せて必要になるのが入檀料です。
お寺によって、入檀料+志納金が掛かる場合もあれば、入檀料は不要で志納金だけ必要という場合もあるので、事前にお寺に確認しておきましょう。
檀家として掛かる費用と相場
檀家になると下記のような費用が掛かります。
- 入檀料
- 志納金
- 護持会費
- 本堂修繕などの寄付
それぞれ詳しく解説していきます。
入檀料の意味と相場
入檀料(にゅうだんりょう)は檀家になるために支払う必要がある費用です。
入会金みたいなものですね。
前述したように、お寺によって「入檀料+志納金」が掛かる場合もあれば、「入檀料不要+志納金」という場合もあります。
入檀料の相場は10万円~30万円程になります。
志納金の意味と相場
志納金(しのうきん)とは、墓地や納骨堂を購入する時に菩提寺に支払う費用のことです。
志納金は菩提寺に対する「供養をしてもらうことへの感謝の気持ち」として納めるお金という意味です。
気持ちと言っても、お寺側で最低価格が定められていることがほとんどで、最低価格以上であればいくら包んでもらっても構いませんというものになります。
よほどお金に余裕がある人でなければ、無理に最低価格以上に包む必要はありません。
前述の「入檀料+志納金」とは、檀家になって菩提寺にお墓を建てる場合、墓地を購入する費用が別途掛かるという意味になります。
「入檀料不要+志納金」は、檀家になる=菩提寺にお墓を建てることが前提で「志納金だけで良いよ」ということになります。
墓地購入の志納金の相場は「墓所の立地条件」や「敷地サイズ」によって大きく変動します。
- お寺の入り口から近い
- 階段を登らずに済む
- 水汲み場から近い
- 坂の上か下か
お墓参りがしやすい立地ほど値段が上がるようです。
私があるお寺に直接聞いた時は立地によって10万円~50万円の幅がありました。
規模が大きいお寺であれば100万円を超える場合もあります。
ちなみに、志納金はあくまで墓地の購入に掛かる費用であり、墓石(お墓)の購入費用は別途石材店に対して支払う必要があります。
納骨堂の場合は志納金だけでご遺骨を納めることができますね。
護持会費の意味と相場
護持会費(ごじかいひ)とは、お墓の管理(清掃など)や供養をしてもらうことに対して支払う費用のことです。
維持管理費とほとんど同義です。
檀家が出し合った護持会費でお墓だけでなくお寺の維持・運営をしていきます。
もちろん、入檀料や志納金、葬儀・法事・法要・戒名授与のお布施などもお寺の維持・運営のために使われますが、固定費として支払う維持費として「護持会費」があります。
護持会費の相場は年間で5,000円~20,000円ほどです。
本堂修繕などの寄付の意味と相場
これはそのままの意味ですね。
お寺の修繕に掛かる費用が高額で、これまでのお布施や護持会費などで足りない場合は、菩提寺から檀家へ「修繕のための寄付のお願い」があります。
相場はありません。
大抵寄付のお願いとして「一口〇〇万円から」といった形で募集がありますが、この一口は掛かる修繕費用と檀家の数によっても変わります。
大規模な修繕だと億単位の修繕費が掛かるという話もお寺から聞いたことがあります。
そのくらいの規模になると、檀家の数も相当数いるので一戸当たりの負担はそう大きくならないようですが。
檀家のメリット
葬儀や法事・法要を優先対応してもらえる
檀家のメリットはなんといっても葬儀や法事・法要を優先対応してもらえる点です。
実際、私が葬送サービス会社に勤めていた時に派遣したお坊さんから下記のように言われたことが何度もあります。
お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスに登録しているお坊さんは、大前提として檀家優先です。
特に檀家さんの葬儀となれば他にどんな予定が入っていようが何よりも優先すべきことなのです。
そのため、上記のように前日の急なキャンセルの連絡であったとしても会社側はお坊さんに何の文句も言えません。
急ぎ代わりのお坊さんを探すしかないのです。
ちなみに、「檀家さんの法事・法要」と「檀家でない方の葬儀」で優先されるのは檀家さんの法事・法要です。
そのため、お客様が希望される宗派で手配できるお坊さんがいないという事態もよくありました。
また、お寺はお盆やお彼岸の法事・法要も檀家さん優先で予定を組みます。
私が派遣登録しているお坊さんに「お盆の法要の希望があるのですが~」と連絡をしても「お盆は檀家さんでいっぱいだから無理」と断られることがほとんど。
お客様にはお盆・お彼岸の前後に日程をずらしてもらうよう提案することしかできないという事態に。
「絶対にこの宗派でなければいけない」や「お盆・お彼岸は絶対に決まった日取りで」というこだわりがある方は檀家になることを強くオススメします。
お墓の面倒を見てもらえる(管理してもらえる)
檀家になっている場合、菩提寺に先祖のお墓があることがほとんどです。
しかし、中にはお墓参りに一度も行ったことが無く、両親が亡くなったのでお墓じまいをして離檀をしたいというお客様もいました。
また、相続で初めて「お寺にお墓があることを知った」、「そのお寺の檀家だったことを知った」という人もいました。
そんな方でもお墓は菩提寺がきちんと面倒を見てくれています。
当然、ご先祖の供養もしてくれています。
公営霊園などの場合、お墓を建てたはいいが誰も面倒を見ていないということもあります。
そういうお墓は雑草がボーボーで隣のお墓に迷惑をかけてしまっているということもあります。
すると霊園からお墓の持ち主に「なんとかするように」という連絡が入ります。
そのような連絡があったのでなんとかしたいというお客様からの相談もよく受けました。
そういった意味では、菩提寺でお墓の面倒を見てもらってご先祖の供養もしてもらえるというのは大きなメリットではないでしょうか。
ちなみに、「お寺にお墓がある=檀家」ですが、「お寺にお墓が無い≠檀家ではない」なのでご注意ください。
「お墓は公営霊園にあるけど、〇〇寺の檀家です」というケースもありますので。
※最近は「寺院が運営する霊園にお墓を建立しているが、その寺院の檀家ではない」というケースもあるようです。ややこしいですね。
永代供養や納骨堂を利用させてもらえる
お墓を持っていない、お墓の管理ができない、といった理由で永代供養や納骨堂を探されている人も非常に増えています。
墓地とは別に永代供養や納骨堂があるお寺もありますが、大抵「檀家さんのご遺骨しか受け入れていない」と言われます。
もちろん、関係無く受け入れてくれる納骨堂や永代供養も存在はしますが、「ここのお寺の納骨堂が良い」と思っても受け入れてもらえない可能性があるわけです。
そのため、故人様のための永代供養を探すのではなく、生前のうちに入りたい納骨堂を探し、そのお寺の檀家になっておくことをオススメします。
仏事に関する相談ができる
日常的にあるわけではない葬儀や法事・法要について、分からないことは多いかと思います。
菩提寺がいればそういったことも気軽に相談ができますし、戒名なども生前から相談することができます。
また、葬儀の時に何をどう準備すればいいか分からないという場合でも、菩提寺にある程度任せてしまうことができるというメリットがあります。
檀家のデメリット
入檀料や志納金、護持会費、離檀料などの費用が掛かる
檀家のデメリットと言われて真っ先に思い浮かぶのが費用についてですよね。
入檀するだけで掛かる「入檀料」や、お墓・納骨堂を購入するのにかかる「志納金」。
さらに毎年「護持会費」まで払わなくてはいけないなんて…。
そう思いますよね。
でもよく考えてみてください。
霊園に墓地を購入する場合も「志納金」にあたる費用は掛かります。霊園の場合は「永代使用料」というものです。
「護持会費」も霊園でいうところの「管理費」が同じように掛かります。
そこで、檀家として掛かる費用をバラして考えてみると、デメリットと感じるのは
- 入檀料
- 修繕費の寄付
- 離檀料
の3つになります。
葬儀や法事・法要をお願いする度にお布施を払うにも関わらず、入檀料まで払わなくてはいけないのかとどうしてもネガティブに感じてしまいます。
これについては私も疑問があります。
既に檀家になっている人は払っているのだから、あなたも払わないと不公平になると言われると言い返しづらいですが。
でも必要なお布施や志納金は払っているのに…とどうしても思ってしまいます。
まぁ民間サービスでも月々の会費とは別に入会金が掛かるようなものはたくさんあるので、それと同じだと割り切るしかありませんね。
「修繕費の寄付」。なぜ寄付しなくてはいけないの?
お寺をお坊さんの持ち物と考えると、「なぜ寄付をしなくてはいけないの?」と思いますよね。
ですが、お寺は決してお坊さんの持ち物ではなく、檀家さんとの共有資産であるという認識に立つと不思議と納得がいきます。
実際、お布施はお坊さんのお金になるのではなく宗教法人であるお寺の収入となります。
お坊さんは宗教法人であるお寺から「給料」としてお金をもらっています。
給料なので当然所得税も払っています。
話がそれましたが、話を戻します。
例えば施餓鬼会(せがきえ)というのを聞いたことはあるでしょうか。
これは檀家さんが本堂に集まって行う仏事です。
このように、本堂はお寺側も檀家さんも共同で使用するものです。
共同で使用するものであれば、当然皆で修繕費を出し合うというのは納得がいきますよね。
最もネガティブなイメージがある「離檀料」
一度檀家になると「辞めたい」と思った時に高額な離檀料が請求されるのでは…
そう思うと檀家になることに二の足を踏んでしまいますよね。
でもこの「高額」というのはどのくらいの金額をイメージされていますか?
50万円?100万円?300万円?
実は離檀料の相場は10万円~20万円です。
「高額な」離檀料というのは一部のお寺による嫌がらせ的な離檀料が独り歩きした噂でしかありません。
そうはいってもなぜ離檀料を払わなくてはいけないのか、という点については私も疑問が残りますが。
きっと過去に離檀した檀家からも離檀料をもらっていたのでしょう。
それを「あなたは離檀料いらないよ」というわけにはいかないですからね。
もう一つ注意をしなくてはいけないのが、離檀料とは別にお墓じまいの費用が掛かるという点です。
離檀をするということは菩提寺にお墓の面倒を見てもらう契約も解約するわけですから、先祖代々のあなたの家のお墓を片付けなくてはいけません。
それには当然、お墓の解体・撤去・処分費用が掛かります。
お墓じまいをするためには石材店に依頼して解体工事をしてもらう必要があります。
そしてその相場は30万円~50万円程になります。
立地条件が悪く工事がしにくい場合や、お墓そのものが大きい場合は工事費で100万円近くかかった事例もあります。
他の寺院やお坊さん派遣(僧侶派遣)サービスに頼めない
- 我が家の菩提寺は葬儀・戒名・法事・法要のお布施が高いから他のお寺に頼みたい。
- お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスを使って低額のお布施で済ませたい。
そう思っても檀家の場合は基本的に菩提寺以外に依頼することはできません。
菩提寺がいるにも関わらず他のお寺に頼んだり、派遣サービスを利用したことが菩提寺にバレてしまうと、まず間違いなくトラブルに発展します。
実際にあったトラブルの例を挙げると、
- 葬儀のやり直しをさせられた
- 戒名のつけ直しをさせられた
- 菩提寺に建っているお墓を墓じまいさせられた
といったものがあります。
葬儀のやり直しをすれば葬儀代が二重で掛かりますし、戒名のつけ直しをすれば戒名料金が二重で掛かります。
墓じまいをさせられれば当然お墓の解体工事費用が掛かります。
安く済ませようとしたのに結果的に高くついたということになってしまいますので、檀家さんは菩提寺さんに依頼しましょう。
葬儀や戒名の自由度が低い
菩提寺がいる場合、これまでの慣習・伝統にそって葬儀を行わなくてはいけないという縛りのようなものがあります。
そのため、「故人のためにこういう葬儀にしたい」という希望はなかなか実現するのが難しいでしょう。
実際、私がある地方の葬儀社に「うち(私が働いていた会社)が葬儀のお坊さんを手配します」と伝えた時にはこう言われました。
「菩提寺いないの?この地域はご遺族の希望よりも菩提寺の言うことに従わないといけないから」
あれは衝撃でした。ご遺族の希望する葬儀ではなく、菩提寺の言う通りの葬儀をすると言うのですから。
また、戒名についても菩提寺がこれまであなたのご先祖様につけた戒名を加味したり、故人様が生前にお寺にどれだけ貢献したかによって決めます。
予想外なランクの低い戒名をつけられたり、逆に凄く高い戒名をつけられるなんてことも。
ランクが高い戒名の場合、当然包むお布施の額も高くなります。
一度つけてもらった戒名を「お布施が高いので低い戒名に変えてくれ」とはなかなか言いづらいものです。
不安な時は事前に払えるお布施の予算を菩提寺に伝えておくといいでしょう。
「知らなかった」では済まされないトラブルが発生することも
自分の家に菩提寺があることを知らずに、菩提寺以外のお寺に葬儀をしてもらった。
するとある日、菩提寺と名乗るお寺から「〇〇さんが亡くなり葬儀も終えたことを新聞で知りました。ご愁傷様です。当寺院にある〇〇家さんのお墓を至急墓じまいしていただきたい」という旨の手紙が届いた。
これは、私が葬送サービス会社で働いていた時に実際にお客様から聞いた話です。
お客様も悪気があったわけではないのですが、菩提寺からすると「今まで先祖代々のお墓の面倒を見てきた菩提寺に葬儀を頼まないとは何事か」と怒り心頭のご様子。
結局お墓じまいをしてご先祖様のご遺骨も改葬することになりました。
掛かった費用としては
- 墓石の撤去処分費用
- 墓所の整地費用
- 離檀料
- 改葬先のお墓の購入費用
などになります。
菩提寺へ一声かけてさえいれば、今あるお墓へ納骨もでき、余計な費用が掛からずに済んだのに…と悔やまれる出来事です。
上記の例に限らず、菩提寺がいるにも関わらず、菩提寺以外に葬儀・法事・法要・戒名などを頼んでしまうとトラブルになってしまうので注意が必要です。
まずは「我が家に菩提寺がいるのか」をご両親や親戚に確認してみることをオススメします。
檀家を辞める(=離檀する)したい場合は?
檀家を辞めることを「離檀(りだん)」と言います。
離檀したい場合、きちんと手順を踏まないと余計なトラブルになりがちなので注意が必要です。
言い方は悪いですが、檀家が離檀するということはお寺にとって収入減が減るということなので中には激しく怒るご住職もいたりします。
私が勤めていた会社にも「お寺と離檀の話をしたら揉めたからお寺に黙ってお墓じまいをしたい」という相談がそこそこありました。
話を聞くと、「そんなやり方をしたらそりゃ揉めるよ…」というケースも多々ありました。
はっきり言いますが、お寺に黙ってお墓じまいは絶対できません。
引き受けてくれる石材店もいないでしょう。
だからこそ、離檀のためにはきちんと手順を踏む必要があります。
離檀の手順については下記の記事で詳しく解説していますので、よければそちらを参考にしてください。
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。前回の記事で、葬送サービス会社で働いていた私から見た「檀家のメリット・デメリット」をお伝えしました。今回は、「檀家にメリットがあること[…]
まとめ
いかがでしたでしょうか。
檀家はデメリットしかないという固定観念を崩すことができたでしょうか。
檀家にはメリットが確かに存在しますし、デメリットと感じる部分も存在することもまた事実です。
ですが、デメリットと感じる部分の多くは「皆で」お寺を維持・運営していくためのものであり、誰か一人を特別扱いするわけにはいかないことから生じるものであると言えます。
分かりやすい例を挙げれば、過去の檀家さんには払ってもらった入檀料や離檀料をあなただけ特別に払わなくていいよ、というわけにはいかないのです。
また、修繕費の寄付についても「皆で」使う共有財産であるお寺を維持・修繕するための費用を檀家で出し合うのは当然のことではないでしょうか。
最後に私のスタンスをお伝えします。
私は離檀することを推奨はしませんが否定もしません。
例えば、動画配信サービスの「Amazonプライム」や「Netflix」がありますが、「配信される動画がつまらなくなったので解約する」というのは当然の権利ですよね。
檀家も同じだと思っています。
檀家であることのメリットとデメリットを天秤にかけた時、デメリットの方が大きいのであれば離檀するのは当然です。
もっと言えば、払っている金額に見合ったサービスの提供を受けられないと感じるのであれば離檀するのは当然です。
現代では檀家離れが深刻と言われますが、お寺が古い慣習に囚われず、現代の価値観に即したサービス提供をしなければ檀家離れはますます加速するのではないでしょうか。