こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。
前回の記事で、葬送サービス会社で働いていた私から見た「檀家のメリット・デメリット」をお伝えしました。
今回は、「檀家にメリットがあることは分かったけど、それでもどうしても離檀したい!」というあなたへ向けた記事となっています。
「離檀するための手続きは?」「離檀に掛かる費用は?」など、離檀に関する気になることを解決します!
- 離檀をするための手順
- 離檀に掛かる費用と相場
- 菩提寺が離檀に応じてくれない時の対処法
編集長「こまど」の実績
- 年間10,000件以上の葬送サービスのご相談を対応
- 年間3,000件以上のお坊さん(僧侶)の派遣実績
上手に離檀をするための8ステップ
離檀をするための手順は下記になります。
- 改葬先(ご遺骨の移動先)を検討しておく
- 菩提寺に離檀したい意思を伝える
- お墓じまいの見積りを取る
- 改葬許可証の申請をする
- お墓の閉眼供養をしてもらう
- お墓じまいの工事をする
- 菩提寺に離檀料を支払う
- 改葬する(ご遺骨を移動させる)
細かく分けると上記の8ステップになります。
よく離檀するには”離檀料を支払って終わり”と勘違いをされている方がいますがそうではありません。
菩提寺にお墓がある場合がほとんどですので、離檀する=お墓じまいをする必要があります。
しかし、例外的にお墓じまいを伴わない離檀もあります。
- お墓が菩提寺ではなく他の霊園にある場合
- そもそもお墓を持っていない場合
その場合は上記ステップの2・7だけ行えばOKです。
ステップ1.改葬先(ご遺骨の移動先)を検討しておく
菩提寺にお墓がある場合、離檀する=お墓じまいをする必要があります。
お墓じまいをするということは菩提寺にあるお墓を解体撤去処分し、お墓に納骨されているご遺骨を他に移動させなくてはいけません。
ご遺骨を他に移動させることを「改葬(かいそう)」と言います。
離檀することは決まったが改葬先が見つからないという事態にならないように、菩提寺に離檀の話をする前に改葬先の目星はつけておくことをオススメします。
ステップ2.菩提寺に離檀したい意思を伝える
改葬先の目星をつけたら、菩提寺に離檀をしたい意思を伝えましょう。
これまでお世話になった菩提寺に離檀することを伝えるのはなかなか言い出しにくいものではあります。
対面では言いづらい場合は手紙などで離檀の意思を伝えるようにしましょう。
民間サービスを解約するような無機質な言い方ではご住職の機嫌をそこねてしまいます。
高額な離檀料を請求されないためにも、きちんと大人な対応が必要です。
もしも過去の経緯で菩提寺に対して不満が募っていたとしても、ここはグッと我慢しましょう。
ここさえ耐えればあなたは解放されます。
「とにかく離檀します!」という言い方ではいけません。
なぜ離檀をしなくてはいけないのか、やむをえない理由があることをきちんと伝える必要があります。
例えば、「後継ぎが遠方に住んでいてこちらに帰ってくることが無い。お墓じまいをしてお骨は後継ぎの住まい近くの納骨堂に改葬したい」などが有効でしょう。
物理的に距離があり、後継ぎが檀家を継続することが難しいという理由であれば菩提寺としても引き止めにくいものです。
「あなた自身が遠方に引っ越すことになった」や「施設に入ることになった」という理由でもいいかもしれません。
もしくはご両親がご逝去されたタイミングでの離檀であれば、「自分が遠方に住んでいるので、ここ(菩提寺)にお墓があるとお墓参りが難しいので」といった理由でも良いと思います。
お寺によっては口頭でのやりとりだけでなく、離檀手続きの書類を用意している場合もあります。
菩提寺に「何か書類上の手続きは必要でしょうか?」と一言お尋ねしてみましょう。
ステップ3.お墓じまいの見積りを取る
無事に離檀したい意思を伝えたら、お墓じまいの見積りを取りましょう。
お寺によっては指定石材店制度というものがあり、あなた自身で石材店を手配して見積り・工事をすることができない場合があります。
一般的に指定石材店制度の場合、お墓じまいの見積りが高めに出てくると言われます。
本来であれば自身で複数の石材店に相見積もりを取り、できるだけ安いところにお願いをしたいところですが…
指定石材店制度がある場合はそれに従っておいた方が無難です。
無理に自身で相見積もりを取ったり、他の石材店に工事を依頼しようとすることはオススメしません。
菩提寺と揉めてしまい、結果的に余計な費用(高額な離檀料や無茶な工事条件など)が掛かってしまうケースもあります。
実際、私が葬送サービス会社で働いていた時に相談にいらしたお客様の中には、上記のパターンで無茶な工事条件を出され、結果的に工事費が高額になってしまったことがあります。
指定石材店制度が無い場合は積極的に相見積もりを取りましょう。
相見積もりは2~3社取れば十分でしょう。
お寺の中には「指定ではないが石材店の紹介もできるよ」と言ってくれる場合もあります。
その場合はお寺に紹介してもらった石材店+1~2社で相見積もりを取ることをオススメします。
ステップ4.改葬許可証の申請をする
お墓じまいの見積りを取り終え、工事を頼む石材店が決まったら「改葬許可証の申請」をします。
改葬許可証とは、改葬(ご遺骨を他のお墓や納骨堂に移動させること)をする際に市区町村役場に発行してもらう書類です。
改葬をする際には「墓地、埋葬等に関する法律(通称:墓埋法(ぼまいほう))」によって「改葬許可証」の発行手続きをしなくてはいけないと定められています。
市区町村が管理している公営霊園でもないのに役所で手続きをしなくてはいけないの?と思いますよね。
よく「改葬先の市区町村役場で手続きをする」と勘違いされている方がいますが、これは間違いです。
正しくは、改葬元=現在お墓がある市区町村役場で改葬許可証の申請を行います。
具体例を挙げると、菩提寺が山口県山口市にあり、改葬先の納骨堂が東京都新宿区にある場合は、山口市の市役所で改葬許可証の申請を行います。
一般的に改葬許可申請に必要となる手続きは下記になります。
- 改葬元の市区町村役場から「改葬許可申請書」を取り寄せる
- 改葬元の管理者に「改葬許可申請書」へ署名捺印をしてもらう
- 記入・捺印した「改葬許可申請書」を改葬元の市区町村役場へ提出する
市役所によっては「改葬先の契約書の写し」や「故人との関係が分かる戸籍謄本」の提出を求められる場合があります。
このあたりの細かい必要書類については市役所によって異なるため、事前に市役所に電話をして確認しておきましょう。
また、菩提寺にお墓がある場合、「改葬元の管理者=菩提寺」になります。
菩提寺に「改葬許可申請書」へ署名捺印をしてもらう必要があるので、必ず改葬手続きをする前に離檀の意思を伝えておきましょう。
菩提寺に話をしないままいきなり「改葬許可申請書へ署名してくれ」と言ってしまうと、菩提寺も流石に不快になります。
このあたりの手順を間違えるとトラブルに発展しがちなので充分注意してください。
手続きが無事完了すると、「改葬許可証」が手元に届きます。
発行してもらった改葬許可証はどうするのかというと、
- 改葬元の菩提寺に提示する
- 改葬先にご遺骨と一緒に提出する
の順で使用します。
1では「提示」、2では「提出」という違いがあります。
最終的には改葬先が保管することになります。
改葬先は改葬許可証が無いとご遺骨を受け入れることができませんので、お墓じまいの工事をする前に必ず改葬許可証の申請をしましょう。
でないと、お墓から出したご遺骨を移動させることができず、ご遺骨を”一時的に家に置いておく”などしなくてはならなくなります。
実は「改葬許可証が不要」でお墓じまいをする裏ワザが存在します。
それが「散骨」です。
というのも、改葬について定めている「墓地、埋葬等に関する法律(通称:墓埋法(ぼまいほう))」では下記のように明記されています。
この法律で「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。(第二条 3項)
出展:墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)|e-Govポータル(https://www.e-gov.go.jp)
「他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう」とありますよね。
つまり、ご遺骨を他のお墓や納骨堂に移動させるわけではない「散骨」については「改葬許可証が不要」ということなのです。
実際、この件については私自身が各市町村役所及び法務省にも確認し、「散骨をする場合は改葬手続きは不要である」という回答をもらっています。
「みんなの海洋散骨」では44,000円(税込)で海洋散骨ができますのでオススメです。
乗船プランもあるようです。
見積りは無料ですので、散骨を検討されている方は一度見積りを取ってみることをオススメします。
ステップ5.お墓の閉眼供養をしてもらう
改葬手続きも無事に完了したら、お墓じまいの日取りを調整することになります。
ですがここで忘れてはいけないのが、「お墓の閉眼供養(へいがんくよう)をしてもらう」ということです。
「両親は菩提寺の宗派だったけど、私は無宗派だから閉眼供養はしなくていいや」と言われる方がたまにいます。
しかし、お寺にお墓が建っている以上、そういうわけにはいきません。
必ず菩提寺に閉眼供養をお願いしましょう。
そもそも、閉眼供養をしないと石材店も工事をしてくれません。
当然、閉眼供養をしてもらうお布施も払う必要があります。
閉眼供養のお布施の相場は、菩提寺の場合1万円~2万円です。
菩提寺と閉眼供養のスケジュールを決めたら、石材店にも伝え工事日の調整をしてもらいます。
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。ご葬儀や法事・法要、お仏壇・位牌・お墓の開眼供養(魂入れ)や閉眼供養(魂抜き)など、お坊さんにお願いをしてお布施を渡す場面は多岐に渡ります。場[…]
ステップ6.お墓じまいの工事をする
閉眼供養を終えたら石材店にお墓じまいの工事に取り掛かってもらいます。
工事は1日で終わる場合もあれば、お墓の規模によっては数日掛かる場合もあります。
1日で終わる場合でも朝早くから取り掛かり、夕方まで丸一日掛かることがほとんどです。
お墓じまいが完了したところをご自身の目で確認したい場合は石材店に大体の終了時間を確認しておくといいでしょう。
終了時間近くにお墓へ行って、石材店がお墓から出したお骨を受け取ります。
基本的に工事中の立ち合いは危険なので石材店に断られます。
スケジュールの都合上、工事の完了まで滞在できないという場合はどうするか。
下記の通り、いくつか方法があります。
- 工事に取り掛かってもらったら、先にご遺骨を出してもらい受け取って帰る
- ご遺骨を後日石材店に「ゆうパック」で自宅や改葬先へ送ってもらう
1ができればご遺骨を自分で持って帰ることができるのですが、お墓のタイプによっては工事の後半でないとご遺骨を取り出すことができません。
その場合は諦めて工事が終わるまで滞在するか、2の「ご遺骨をゆうパックで送ってもらう」という方法を検討しましょう。
お骨はゆうパックでの郵送が認められていますので安心してください。
佐川急便やヤマト運輸では取り扱ってくれません。
ご遺骨をゆうパックで送れることを知らない石材店もたまにいますが、そういう時はこの記事を見せてあげてください。
工事の完了に立ち会うことが難しい場合は予め菩提寺にその旨を伝え、離檀料も忘れずに渡しておきましょう。
ステップ7.菩提寺に離檀料を支払う
無事にお墓じまいが完了したら、菩提寺にこれまでお世話になった感謝の意を伝え、離檀料を渡しましょう。
離檀料の相場は10万円~20万円です。
菩提寺から明確に離檀料は〇〇万円と指定されている場合は素直にその金額を支払った方がいいでしょう。
ステップ8.改葬する(ご遺骨を移動させる)
ステップ7までで無事に離檀は完了しました。
ですが最後に忘れてはいけないのが、”ご遺骨を改葬先へ納めること”です。
ステップ4で発行してもらった「改葬許可証」とご遺骨を改葬先へ持っていきましょう。
もし、ステップ6でご遺骨を改葬先へ送骨している場合は「改葬許可証」だけ提出しに行くことになります。
離檀に掛かる費用と相場は?
ここからは離檀に掛かる費用を改めて見ていきましょう。
離檀には「離檀料だけが掛かる」と思われている方がいますが、それは大きな間違いです。
実際には下記のものが掛かります。
- 離檀料
- 閉眼供養のお布施
- お墓じまいの工事費
- 改葬先の購入費用
もちろん、菩提寺にお墓が無いという場合は「離檀料」だけで済みますが、菩提寺にお墓が無いというケースはなかなか珍しいものです。
では、それぞれの相場についても詳しくお伝えしていきます。
離檀料の相場
離檀料の相場は10万円~20万円です。
実は「離檀料で何百万円も請求された!」というのは都市伝説レベルの極々稀なケースと言えます。
ですが離檀料の話なんて日常的にするようなものではありませんので、上記のような稀なケースがネットやテレビなどで騒がれた結果、「離檀料は高額」というイメージがついてしまったものと思われます。
閉眼供養の相場
菩提寺に閉眼供養をお願いする場合のお布施の相場は1万円~2万円です。
菩提寺以外の場合は3万円~5万円が相場となっています。
お墓じまいの工事費の相場
これは正直、相場を語るのは非常に難しいと言わざるを得ません。
というのも、同じお寺内のお墓であっても工事費はピンキリなのです。
理由はお墓の立地、つまり工事のしやすさによって金額が大きく変動するためです。
例えば、お墓が平坦な場所に建っている場合と、長い階段の上に建っている場合では工事の難易度が全く違います。
工事車両は階段を登れないので、墓石を現場で手作業で小割りにし、これまた手作業で墓石を持って階段を降りなくてはいけません。
そのため工事費がグッと上がります。
逆に平坦な場所であれば、工事車両を横付けして機械で墓石を解体・運搬できるので工事費がグッと下がります。
さらに、同じ階段の上であっても、車両用の道路が階段の上まで別途用意されていれば、工事の難易度は平坦な場所と変わらないので工事費はグッと下がります。
その他にも、隣のお墓とピッチリくっついてしまっているようなお墓も、作業難易度が上がるため工事費が上がります。
ここで紹介したのはほんの一例で、他にも様々な条件で工事費が変動します。
そのため、「お墓じまいの工事費の相場」とは一言で言えないものなのです…。
当然、同じ立地条件でもお墓の大きさが違えば工事費は変わりますし。
とはいえざっくりとした相場というか、私が前職でお墓じまいのお手伝いしていた時の経験上、多かった価格帯は30万円前後といったところです。
もちろん、10万円台で済んだ工事もあれば、100万円近く掛かった工事もありました。
そこで私が声を大にしてお伝えしたいのは「お墓じまいの工事は必ず相見積もりを取りましょう!」ということです。
石材店によって工事費が10万円以上変わることもザラですので、絶対に1社の見積りで決めないようにしましょう。
前述した指定石材店制度がある場合は別ですが…。
余談にはなりますが、ホームページを見たお客様からよく「お墓じまいの見積りを知りたいんだけど。うちのお墓は普通のお墓よ」というお電話を頂きました。
この「普通のお墓よ」というのは、おそらくお墓の大きさを伝えたいのだと思いますが、情報としてはなんの意味もありません。
というのも、前述した”立地条件”が全く分からないことも当然ですが、「普通」というのは人によって感覚が違います。
そして何より地域によっては普通の感覚が全く違うのです。
九州のお墓の普通と東京のお墓の普通では、規模が3倍くらい違います。あくまで経験上の話ですが。
改葬先の購入費用の相場
改葬先の購入費用もピンキリですね。
とにかく安く済ませたい、という場合は「共同墓タイプの永代供養墓(えいたいくようぼ)」がオススメです。
共同墓とは、他の方のご遺骨と一緒に1つのお墓に納骨するタイプのお墓です。
このタイプであれば価格は数万円からあります。
あの東証一部上場企業の鎌倉新書が運営する「いいお墓」では共同墓タイプの永代供養墓は3万円~となっています。
「他の方のご遺骨と混ざるのは嫌」という方は個別に収められる「納骨堂タイプ」がオススメです。
個別の納骨堂タイプの相場は30万円~50万円程です。
また、改葬先はなにも永代供養墓や納骨堂でなければいけないわけではありません。
通常のお墓への改葬も当然OKです。
田舎のお墓を墓じまいし、自宅近くの霊園に新たにお墓を建立してそこに改葬するという方も多くいらっしゃいます。
お墓を建立する場合もお墓じまいの工事費同様、複数の石材店から相見積りを取ることを強くオススメします。
そのため、絶対に1社の見積りで決めることは止めましょう。
とはいえ、石材店に1件1件電話して見積り依頼をするのはとても面倒ですよね。
一度の問い合わせで複数社の見積りが簡単に取り寄せられますので。
オススメは「墓石ナビ」というサイトです。
私が葬送サービス会社に勤めていた時に工事を依頼していた優良石材店も多数登録しているので、かなり安い見積りが出てきます。
>>全国の優良石材店から一括見積りが無料で出来る【墓石ナビ】
菩提寺が離檀に応じてくれない時の対処法を伝授!
最後に、菩提寺がどうしても離檀に応じてくれない場合の対処法についてお伝えしておきたいと思います。
檀家が離檀するということは、お寺にとって(言い方は悪いですが)収入源が減るということになります。
そのため、お寺によっては離檀をさせないために全く話を聞いてくれなかったり、法外な離檀料を請求してくるような場合も稀にあります。
そういう場合はどうするか。
選択肢は3つです。
1つは「諦める」という選択。
離檀を諦めるのか、菩提寺が提示する無茶な条件を諦めて飲むかということになります。
2つ目は弁護士に依頼することです。
私もよくお客様から「お墓じまいをしたいのだけど、お寺との離檀交渉はしてくれますか?」と問い合わせをいただきました。
残念ながら、離檀交渉は弁護士しかできません。
弁護士法の第七十二条には下記のように明記されています。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で云々かんぬん」とありますね。
檀家の代理で菩提寺と離檀交渉することができるのは弁護士だけということになります。
「報酬はもらわずにお手伝いをするだけ」というスタンスならいいじゃないか、という反論がありそうですが、それをするメリットがありません。
檀家に代わって交渉をしたところで菩提寺が応じるとは思えませんし、法的手段が取れない一般人が代わりに交渉したところで意味がないでしょう。
それどころか、檀家の代わりに交渉をするのがお墓じまいの工事業者等になれば火に油を注ぐ事態になりかねません。
菩提寺からしたら、離檀を手伝う敵とみなされてしまうわけですから余計揉めるでしょう。
ですので、離檀交渉が難航した場合は弁護士費用を払って弁護士に依頼するしかありません。
要求されている離檀料と弁護士費用を天秤にかけて、安く済むようなら…といったところでしょうか。
そして3つ目。費用を掛けずに離檀に応じさせる最終手段を伝授します。
実際にお客様がこの最終手段を使い、無事に適正価格で離檀及びお墓じまいをすることができたという実績があります。
その最終手段とは…下記のように菩提寺に伝えることです。
「そのような法外な要求は飲めない。ご先祖様には申し訳ないが、お墓もご遺骨も諦めてお寺との関係もこれで終わりにする。」
お墓もご遺骨も諦めるということはどういうことか。
お墓をそのまま残し、菩提寺との縁を切るということです。
こうなると困るのは菩提寺です。
誰も墓参りにこない、お布施も入ってこないお墓を維持するということはコストの垂れ流しになります。
でもそのお墓があるスペースには新しい檀家のお墓を建てることもできない。
お墓を片付けようと思うと、お寺が費用を出して工事しなくてはいけないという3重苦に陥るわけです。
菩提寺としてもそれは困るので、「そちらが費用を負担する形でお墓じまいをしてくれた方が助かる」と無茶な要求を取り下げてくれるというカラクリです。
まとめ
離檀をする手順や相場について、私の経験を踏まえ解説させていただきましたがいかがでしたでしょうか。
10,000件を超える葬送サービスのご相談を頂きましたが、離檀で揉めるというケースはそう多くはありません。
揉める場合はこの記事で紹介した手順をきちんと踏んでいないなど、やはりそれなりの原因がありました。
もし、あなたが離檀を検討されているのであれば、ぜひこの記事を参考に上手く立ち回ってください。