仏壇を新しく購入した時には仏壇の「開眼供養・魂入れ」という儀式をすることになります。
ですが、実は浄土真宗では開眼供養・魂入れという言い方はしません。
浄土真宗では「魂」という概念が無く、仏壇に魂入れをするという考えがありません。
代わりに浄土真宗では本山からご本尊である「阿弥陀如来」に、仏壇にお越しいただくためのお経をあげます。
これを「入仏法要(にゅうぶつほうよう)」と言います。
入仏法要をするとなったら気になるのが当日準備するものや服装、お布施の相場や渡し方のマナーですよね。
また、浄土真宗には大きく分けて2つの宗派があります。
細かく分けるともっとありますが、大きくはこの2つです。
1つが「お西さん」と呼ばれる「浄土真宗本願寺派(じょうどしんしゅうほんがんじは)」で、もう1つが「お東さん」と呼ばれる「真宗大谷派(しんしゅうおおたには)」です。
この2つの派で入仏法要の仕方に若干の違いがありますのでその辺りも詳しく解説いたします。
- 仏壇の入仏法要をする時に準備するもの(お供え物)
- 入仏法要の線香の立て方・焼香の仕方
- 浄土真宗本願寺派(西)の数珠と持ち方
- 真宗大谷派(東)の数珠と持ち方
- 仏壇の入仏法要に参列する時の服装マナー
- 仏壇の入仏法要のお布施の相場と渡し方マナー
- 菩提寺がいなくてもリーズナブルに仏壇の入仏法要のお坊さんを呼ぶ方法
編集長「こまど」の実績
- 年間10,000件以上の葬送サービスのご相談を対応
- 年間3,000件以上のお坊さん(僧侶)の派遣実績
仏壇の入仏法要をするのはどんな時?
仏壇の入仏法要をするのは「仏壇を持っておらず、初めて仏壇を購入した時」だけです。
他の宗派では、既に仏壇を持っていて仏壇を買い替えた時や、仏壇を引越しさせた時なども「開眼供養(魂入れ)」をする場面になります。
ですが浄土真宗の「入仏法要」は「初めて仏壇を購入した時」にしか行いません。
というのも、浄土真宗では仏壇を買い替えた時や仏壇を引越しさせる時には別の法要を行うためです。
それは、仏様に移動していただくという意味の「遷座法要(せんざほうよう)」もしくは「遷仏法要(せんぶつほうよう)」というものです。
仏壇の入仏法要を行う際に準備するもの(お供え物)
入仏法要で準備するものやお供え物などは下記になります。
- 仏壇
- ご本尊(阿弥陀如来)
- 仏具一式(経机・おりん・木魚・燭台・香炉・花立・線香立て・火消し)
- 朱ロウソク(入仏法要では白いロウソクは使用しません)
- 線香
- 火をつけるもの(マッチやチャッカマン、ライターなど)
- お餅
- 赤飯
- 海の幸(乾燥昆布やワカメなどでOKです)
- 山の幸(干しシイタケなどでOKです)
- 里の幸(根菜や季節の果物など)
- お花(菊の花で大丈夫です。分からない場合は花屋で開眼供養用のお花が欲しいと伝えてもOKです。予算は3,000円程度で。)
- 御神酒(日本酒。コンビニのカップ酒でもOKです。)
- お米(普段食べているお米でOKです。炊く前の状態で。)
浄土真宗の線香の立て方
線香の立て方は浄土真宗本願寺派と真宗大谷派で違いはありません。
というのも、浄土真宗ではそもそも線香を立てません。
1本の線香を2つか3つに折ってから火をつけ、それを香炉に横にした状態で置きます。
浄土真宗の焼香の仕方
焼香の仕方は浄土真宗本願寺派と真宗大谷派で違いがあります。
間違いやすいの注意してくださいね。
では下記にそれぞれの焼香の仕方を解説いたします。
浄土真宗本願寺派の焼香の仕方
浄土真宗本願寺派のお焼香は下記の手順で行います。
- 合掌し一礼する
- 右手の親指・人差し指・中指の3本で香をつかむ
- そのまま香を香炉に入れる
- 合掌し一礼する
以上が一般的な浄土真宗本願寺派のお焼香の仕方になります。
浄土真宗系では香を額まで押し上げないのが特徴です。
動画で見る浄土真宗本願寺派のお焼香の仕方
真宗大谷派の焼香の仕方
真宗大谷派のお焼香は下記の手順で行います。
- 合掌し一礼する
- 右手の親指・人差し指・中指の3本で香をつかむ
- そのまま香を香炉に入れる
- 上記の2~3を2回行う
- 合掌し一礼する
以上が一般的な真宗大谷派のお焼香の仕方になります。
浄土真宗系では香を額まで押し上げないのが特徴です。
浄土真宗本願寺派との違いは、真宗大谷派では焼香を2回行う点です。
動画で見る真宗大谷派のお焼香の仕方
浄土真宗で使用する数珠について
使用する数珠は浄土真宗本願寺派でも真宗大谷派でも特に指定はありません。
なので好きな数珠を使えばOKです。
ただ、浄土真宗本願寺派と真宗大谷派で数珠の「持ち方」に違いがあるので下記に解説します。
浄土真宗本願寺派(西)の数珠の持ち方
下記は浄土真宗本願寺派の数珠の持ち方の参考写真です。
真宗大谷派(東)の数珠の持ち方
真宗大谷派では数珠を二重にして合掌した手にかけます。そのあと房を親指と人差し指の間から出して左手の甲側に垂らします。
下記は真宗大谷派の数珠の持ち方の参考写真です。
仏壇の入仏法要に参列する時の服装のマナー
仏壇の入仏法要に参列する際、服装で迷ったら「礼服(喪服)」を着れば間違いありません。
ただし、入仏法要は慶事(お祝い事)のため、男性は白ネクタイを着用します。
礼服(喪服)の準備が難しい場合は平服でも問題ありません。
男性であれば黒系・グレー系のスーツなどが無難です。
靴や靴下、カバンも黒系やグレー系のものを選びましょう。
女性の場合は黒系や紺系のワンピースなどが無難です。
アクセサリーも派手なものは付けず、白か黒のパールにしておくと無難です。無ければアクセサリーは着用しないという手もあります。
靴やストッキング、バッグも黒系や紺系を選びましょう。
仏壇の入仏法要のお布施の相場はいくら?
仏壇の入仏法要をお坊さんに依頼する時のお布施の相場をお伝えしますね。
菩提寺(檀家になっているお寺)ではないお坊さんに頼む時のお布施の相場は3万円~5万円です。
菩提寺であれば日頃から檀家料などを払っているかと思いますので、相場は下がって1万円~2万円です。
また、自宅にお坊さんに来てもらう時には「お車代(交通費)」として5,000円~1万円をお布施とは別に渡すのが通例です。
お坊さん派遣(僧侶派遣)会社に依頼すると、お布施は安いところで3.5万円。平均は4.5万円となっています。
派遣会社の場合、お車代は掛かりません。
仏壇の入仏法要のお布施の包み方(渡し方)は?
仏壇の入仏法要のお布施は、白い無地の封筒を用意してその中に入れて渡します。
封筒の表面には「御布施」の文字と「自分の名前」を書き、裏面には「自分の住所」と「御布施の金額」を書きます。
お金の入れ方は封を開けてお金を取り出した時に紙幣に掛かれた肖像画が最初に見えるように入れます。
また、お布施を入れた封筒を渡す時には手渡しするとマナー違反になるので注意しましょう。
「切手盆に乗せる」か「袱紗(ふくさ)に包む」ようにしましょう。
お布施の包み方と渡し方のマナーについては、それだけで1本記事が書けるくらいの量があります。
そのため、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。ご葬儀や法事・法要、お仏壇・位牌・お墓の開眼供養(魂入れ)や閉眼供養(魂抜き)など、お坊さんにお願いをしてお布施を渡す場面は多岐に渡ります。場[…]
菩提寺がいなくても仏壇の入仏法要のお坊さんをリーズナブルに呼ぶ方法
お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスを利用する
お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスとは菩提寺がいない(どこのお寺の檀家にもなっていない)人向けに、法要や葬儀の時にお坊さんを手配してもらえるサービスです。
檀家になる必要はなく、お布施も低額となっています。
必要な時にだけお坊さんを呼ぶことができるので、現代に非常にマッチしたサービスになっています。
お布施の金額は?
お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスでお盆法要をお願いした時のお布施の相場は35,000円~50,000円となっています。
お膳料、お車代も全て込みの金額となっているので上記の金額以上に払う必要はありません。
オススメのお坊さん派遣(僧侶派遣)サービス
大手のお坊さん派遣(僧侶派遣)会社といえば
の3社が挙げられます。
と言っても、葬送サービス会社でお坊さん派遣をしていた私の意見としては、正直どの会社を選んでも派遣されるお坊さんは同じ可能性が高いです。
なぜかというと、一人のお坊さんもしくは1つのお寺が複数の派遣会社に登録しているのが当たり前なので、どの会社経由で依頼しても最終的には同じお坊さんが派遣される可能性が高いわけです。
同じお坊さんが手配されるのであれば、料金が一番安いところがオススメですね。
上記の3社の料金は下記のようになっています。
結論。よりそうお坊さん便が一番安い。
ただし、初回限定の料金になっているのでご注意ください。
過去によりそうお坊さん便で法要のお坊さん派遣をしていると、通常料金の45,000円になります。
>>「よりそうお坊さん便」で入仏法要のお坊さんを手配してもらう
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。「メディアで話題のお坊さん便」はお坊さん派遣(僧侶派遣)サービス最大手の1つで、「株式会社よりそう」が運営しています。株式会社よりそうは旧会社[…]
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これで入仏法要の準備はバッチリできそうでしょうか。
繰り返しになりますが、「入仏法要」という言い方をするのは浄土真宗だけで、他の宗派では「開眼供養」や「魂入れ」と言います。
お坊さんによってはこだわりを持って「入仏法要」と呼んでいる方もいるので、依頼をする時には気をつけたいところです。
また、同じ浄土真宗でも浄土真宗本願寺派と真宗大谷派で数珠の持ち方や焼香の仕方が若干異なるので気をつけてください。