墓地の種類ごとの墓地管理者と墓じまい(墓地返還)

編集長「こまど」
こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。

お墓じまいは墓石を撤去すれば終わりだと思っている方がほとんどかと思いますが、実は違います。

墓じまい=墓地の返還ですので、墓石を撤去した後の墓地を墓地管理者にお返しできる状態にしなくてはいけません

しかし、「墓地の返還」と言われても何をどうすればいいのか分からないですよね。

そこで今回は墓地の種類ごとの墓地返還について詳しく解説したいと思います。

  • 墓地の種類
  • 墓地の種類ごとの墓地管理者
  • 墓地の種類ごとの「墓じまい=墓地返還」

編集長「こまど」の実績

  • 年間10,000件以上の葬送サービスのご相談を対応
  • 年間2,000件以上の「墓じまい」のご相談を対応
  • 年間300件以上の「墓じまい」を施行
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墓地の種類について

墓地の写真

墓地の種類は大きく分けると以下の5つがあります。

  • 公営霊園
  • 民営霊園
  • 寺墓地
  • 共同墓地
  • 私有地

公営霊園とは

公営霊園とは市役所や町役場で管理されている霊園です。

公営霊園は抽選制になっていることが多く、当選しないと公営霊園にお墓を建てることはできません。

民営霊園とは

民間企業は霊園を経営することができないため、表向きは宗教法人や一般社団法人が民営霊園を経営していますが、実際の運営は民間企業に委託していることがほとんどです。

民営霊園は抽選制ではないため、公営霊園と比べ墓地の購入がしやすく、設備も綺麗で整っているという特徴があります。

寺墓地とは

寺墓地とはその名の通り、お寺にある墓地です。

寺墓地にお墓を建てる場合はそのお寺の檀家になる必要があります。

檀家のメリット・デメリットについては下記の記事を参照ください。

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共同墓地とは

共同墓地とは自治会などで管理されている墓地です。

共同墓地には昔から周辺に済んでいる家々がお墓を建てていることがほとんどです。

しかし、現代では子孫がその土地を離れてしまっていることも多く、もはや誰もお墓参りに来ず、実質無縁仏のようになってしまっているお墓も目立っています。

また、子孫が共同墓地に建っているお墓を墓じまいしようと思っても、墓地の管理者である自治会長が誰か分からないために手続きが進められないということもあります。

私有地

『墓地、埋葬等に関する法律』により、現在ではお墓は都道府県知事の許可を得た墓地にしか建てることは出来ません。

しかし、この法律が施行されたのは昭和23年5月23日ですので、それ以前には私有地にも建てられていました。

おじいちゃんやおばあちゃんの家の敷地内にお墓が建っていたという人もいるのではないでしょうか。

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墓地の種類ごとの経営主体と墓地管理者の一覧表

公営霊園・民間霊園・寺墓地・共同墓地・私有地それぞれの経営主体と墓地管理者の一覧表です。

改葬許可申請書への署名や墓じまいの手続きは基本的に「墓地管理者」に申請すればOKです。

墓地の種類経営主体墓地管理者
公営霊園地方自治体市区町村役場(実態は霊園管理事務所)
民営霊園宗教法人

一般社団法人

委託を請けた民間企業
寺墓地宗教法人住職
共同墓地自治会自治会
私有地土地の所有者

墓地の種類ごとの墓地管理者と「墓じまい=墓地返還」

墓地返還のイラスト

墓地返還は墓地管理者の指示通りに墓地を原状復帰(お墓を建てる前の状態)させる必要があります。

墓地管理者は墓地の種類ごとに異なります。

編集長「こまど」
墓地の種類ごとの墓地管理者と原状復帰について見ていきましょう。

公営霊園の墓地管理者と「墓じまい=墓地返還」について

公営霊園に建てたお墓の墓じまいをする場合は、墓石を撤去処分した後の墓地を霊園に返還することになります。

そのため、撤去後の墓地を霊園が指定する通りに原状復帰させる必要があります

大抵の場合は墓地を更地にして整地すればOKですが、立地条件によってはお墓を囲う塀の一部を残すよう指示があったり、お墓撤去後に追加で土留め工事をしなくてはいけないということも稀にあります。

決して「これでいいだろう」と自己判断してはいけません。

公営霊園の墓地管理者は地方自治体ですが、便宜上は霊園管理事務所がこれを担っています。

そのため、必ず工事前に霊園管理事務所に墓地返還の条件について確認しましょう。

とはいえ、通常であれば見積りをお願いした石材店が霊園に確認したうえで見積りをしてくれますのでそれほど心配する必要はありません。

民営霊園の墓地管理者と「墓じまい=墓地返還」について

民営霊園の経営主体は宗教法人か一般社団法人ですが、運営は委託を受けている民間企業が行っています。

そのため、墓地管理者=民間企業となっています。

石材店が委託を受けて墓地の管理からお墓の建立まで一括で行っていることが多いですね。

民間霊園の場合は、お墓の建立も墓じまいも基本的に霊園によって指定された石材店しか工事ができません。

これを「指定石材店制度」と呼んでいます。

指定石材店は墓地管理者から委託を受けている、もしくは「墓地管理者=工事をする石材店」なので、墓地返還の条件について当然把握しています。

そのため、あなたはただ霊園の管理事務所で墓じまいをしたい旨を伝えるだけで大丈夫です。

指定石材店が墓地返還をするための見積りを出してくれます。

寺墓地の墓地管理者と「墓じまい=墓地返還」について

お寺に建てたお墓の墓じまいをする場合も、墓石を撤去処分した後の墓地をお寺に返還することになります。

寺墓地の墓地管理者はお寺の住職です。

そのため、住職の言う通りに原状復帰させなくてはいけません

墓地を更地にして整地すればOKということもあれば、住職が指示する通りに土留めや敷石をつけなくてはいけないということもあります。

お墓じまい工事が終わった後にあれやこれや言われないように、必ず事前に住職に墓地返還の条件について確認しましょう。

寺墓地の場合は石材店に丸投げしてはいけません。

石材店がいきなり住職に「このお墓を墓じまいするので墓地返還の条件を教えてください」と尋ねては住職の機嫌を損ねてしまう恐れがあります。

そうすると余計なトラブルに発展しないとも限りませんので、必ず檀家であるあなた自身が住職に話を通しておくようにしましょう。

編集長「こまど」
寺墓地のお墓じまいについては下記の離檀に関する記事が参考になります。
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共同墓地の墓地管理者と「墓じまい=墓地返還」について

共同墓地の墓地管理者はその地域の自治会になります。

自治会によっては墓地担当が毎年持ち回りになっていることもありますが、いちいち探すのは面倒なので自治会長に相談するのが手っ取り早いでしょう。

墓地返還の条件を教えてもらったら石材店に見積りを依頼します。

自分で石材店に説明をするのが難しいと判断した場合は、自治会長もしくは墓地担当者から直接石材店へ説明してもらうよう話をつけておくといいでしょう。

もし墓地管理者である自治会が分からない場合は、共同墓地がある市区町村の役場に聞いてみてください。

役場で地域ごとの自治会を把握していることがあります。

後々トラブルになってしまうので、自治会が分からないからと言って勝手にお墓じまいを進めてはいけません。

編集長「こまど」
と言っても墓地管理者が不明の場合は「改葬許可証」を発行してもらえないため、
お墓じまいを進めたくても進められないので注意してください。。

私有地の墓地管理者と「墓じまい=墓地返還」について

私有地の墓地管理者はその土地の所有者になります。

実家の土地にお墓が建っていて、その土地の所有者があなたのお父さんであれば、墓地管理者はお父さんになります。

既に土地を相続していて所有者があなたなのであれば墓地管理者はあなたということになります。

あなたが墓地管理者なのであれば、原状復帰の条件を決めるのもあなたです。

ということはつまり、あなたが「これで良し!」と思えば墓石を撤去するだけでも問題ありません。

編集長「こまど」
お墓じまいをした後にその土地を売却する予定であれば、不動産会社に墓石撤去後をどういう状態にしておけば良いか確認しておいた方がいいですね。

『墓じまいをしたい』と思ったら…ご相談ください!

墓地の種類ごとの「お墓じまい=墓地返還」方法についてはお判りになりましたでしょうか。

とはいえお墓じまいを何から始めれば良いか分からないと不安に思うこともあるでしょう。

そんな時は編集長の「こまど」までお気軽にご相談ください。

年間2,000件以上のお墓じまいのご相談を承ってきましたので、大抵のことはお答えできます。

全国の優良石材店の紹介もしています。

編集長「こまど」
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