あなたは戒名は高い!と思いますか。
正直、私は思います。
というのも私の妻の祖父は菩提寺に戒名をつけてもらいましたが、戒名代はなんと300万円。
義理の母から聞いた時は開いた口がふさがりませんでした…。
自分が亡くなった時、残された家族になるべく負担をかけたくないものです。
葬儀にもお金が掛かるというのに戒名に何十万円~何百万円も払ってられないというのが正直な気持ちです。
しかし、実は1円もかけずに戒名をつける方法が存在します。
それが「自分で戒名をつける」という方法です。
お坊さんにつけてもらうわけではないので、戒名代を支払う必要はありません。
当たり前といえば当たり前ですね。
でも、戒名って自分でつけても良いものなの?という疑問も当然かと思います。
戒名は自分でつけてもOKです。
ただし、戒名のつけ方にはルールがあります。
自分で戒名をつける時にはそのルールを破らないように気を付けなくてはいけません。
この記事では自分で戒名をつける時に気をつけるポイントについて分かりやすく解説いたしますので、あなたがもし自分で戒名をつける時にはぜひ参考にしてもらえれば嬉しく思います。
- 戒名の基本構成
- 戒名を自分でつける時に気をつける3つのポイント
- 戒名を自分でつけるメリット・デメリット
- 戒名をお坊さんに格安につけてもらう方法
編集長「こまど」の実績
- 年間10,000件以上の葬送サービスのご相談を対応
- 年間3,000件以上のお坊さん(僧侶)の派遣実績
戒名は自分でつけてもいいのか
冒頭でも述べましたが、戒名は自分でつけても問題ありません。
そもそも戒名はお坊さんにつけてもらわなくてはいけないという法律は存在しません。
あくまでも慣例によって菩提寺が戒名をつけているだけなのです。
菩提寺がいない方の場合は葬儀でお経をあげてもらったお坊さんにつけてもらうことが多いですが、それも慣例というだけでそうしなくてはいけないという決まりはありません。
他のお坊さんにつけてもらった戒名で葬儀をしたり、故人が自分でつけた戒名で葬儀をすることもあります。
まだ私が戒名を自分でつけていいということを知らなかった時の話ですが、お坊さん派遣の依頼を頂いたあるお客様から「故人が生前自分でつけた戒名で読経してもらうことはできますか?」と尋ねられたことがあります。
派遣するお坊さんに「自分でつけた戒名らしいんですが…問題ありませんか?」と確認したところ、問題ないとのこと。
この依頼の後、お坊さんに「自分で戒名をつける」ということについて詳しく聞き、これからお話しする「気をつけるポイント」について教えてもらいました。
戒名の基本構成
自分で戒名をつける時に気をつけるポイントをお話しする前に、まずは戒名の基本構成について整理しておきます。
下記の画像はサンプルで用意した戒名です。「戒名メーカー」で適当に作ったものなので意味は特にありません。
戒名は上記の画像のように
- 院号
- 道号
- 戒名
- 位号
という要素で構成されています。
院号
院号(いんごう)は天皇が退位して済んでいた家を▲▲院と呼んでいたことからつけられた称号で、元々は天皇だけにつけられていました。
時代とともに当時の貴族や将軍などにもつけられるようになり、現在では社会に貢献した人や財を成した人、お寺に大きく貢献した人などにつけられます。
院号の相場は100万円以上です。
道号
道号(どうごう)は元々、仏弟子として修業をした僧侶につけられるものでした。
現在ではその人の性格や人となりを表すものとしてつけられます。
戒名
戒名(かいみょう)は本来、道号と位号の間に入る2文字のことを指しますが、現在は一般的に全ての要素を含んだひとまとまりを「戒名」と呼んでいます。
要素としての戒名の部分にはその人の名前から1文字取って使います。
位号
位号(いごう)は戒名の最後につき、信仰心の強さや社会・お寺への貢献度を表します。
いわゆる戒名のランクはこの位号で表しています。
また、同じランクでも男女によって位号は異なります。
例えば、「居士(こじ)」というのは男性につけられる位号ですが、同じランクの女性用の位号は「大姉(だいし)」といいます。
戒名を自分でつける時に気をつける3つのポイント
1.基本構成の順に要素を並べる
いくら戒名を自分でつけても問題ないからといって、ルールも守らず適当につけてしまってはいけません。
最低限のルールを守らずにつけられた戒名を誰も戒名だとは思ってくれない(認めてくれない)でしょう。
戒名を自分でつける時には大前提として、戒名の要素を基本構成の順に並べることを忘れないでおいてください。
2.宗派による特徴に注意
自分で戒名つける人の多くはあまり宗派にこだわらないようです。
宗派にこだわらない場合は基本構成通りで問題ありません。
しかし、自分で戒名はつけるが、宗派にはこだわりたいという人も中にはいるでしょう。
そんな方に特に注意が必要な宗派の特徴をお伝えしておきます。
日蓮宗の場合は「法号」
日蓮宗の場合は戒名のことを法号(ほうごう)と呼びます。
法号の特徴としては前述の「道号」の部分に固定の文字を使用します。
男性の場合は「法□」、女性の場合は「妙□」というように「法」か「妙」という字+1文字で構成されます。
また、日蓮宗では「日号(にちごう)」と呼ばれる要素もあり、要素としての戒名の部分が日号に置き換わります。
日号は「日△」というように固定の「日」+1文字で構成されます。
サンプルの戒名を日蓮宗の法号に直すと「通雄院法量日皆居士」といった感じになります。
浄土真宗の場合は「法名」
浄土真宗では戒名のことを法名(ほうみょう)と呼びます。
法名の特徴は道号も要素としての戒名も位号も無く、代わりに「釋号(しゃくごう)」というものが使われます。
釋号は男性の場合は釋+2文字、女性の場合は釋尼(しゃくに)+2文字という構成になります。
ただし、最近では女性でも釋+2文字という傾向になってきているようです。
サンプルの戒名を浄土宗の法名に直すと「釋仲皆」になりますね。
合計で3文字なので他の宗派の戒名と比べると短く感じるかもしれませんが、3文字でも立派な法名です。
ちなみに院号がつくこともありますので、その場合は「通雄院釋仲皆」という形になります。
3.戒名に使ってはいけない漢字
天皇家の名前
戒名には天皇家の名前をそのまま使うのはNGです。
有名人・著名人の名前
戒名には有名人・著名人の名前をそのまま使うのはNGです。
四字熟語
四字熟語の漢字をそのまま使うのはNGです。
知らずに「座右の銘なので」といって四字熟語をつけてしまう人がたまにいるので注意してください。
病気や死などを連想させる漢字
病・死という漢字はもちろん、癌や腫瘍といった漢字を使用するのも避けましょう。
死因が癌だからといって戒名に癌という漢字を入れたがる人はいないと思いますが念のため。
意味が良くない漢字
悪・魔・殺・苦・闇・暗といった漢字そのものが良くない意味のものは使用するのを避けましょう。
読み方が不適切になる漢字
例えば「阿久間」という文字をみてください。
一つ一つの漢字は戒名に使用しても問題ありません。
しかし、並べることによって「あくま」と読めてしまいますね。
こういった読み方が不適切になる漢字の使用も避けましょう。
阿宝(あほう)も「アホ」という読み方になるのでNGですね。
動物の漢字
犬や猫、馬や猿といった動物の漢字は基本的に使ってはいけません。
ただし、鶴や亀、鳳凰(ほうおう)といった一般的におめでたい動物と言われる漢字は使用してもOKです。
戒名を自分でつける2つのメリット
1.戒名の費用が掛からない
戒名を自分でつけることのメリットは何と言っても「費用が掛からない」ことです。
戒名の相場は最低でも20万円。院居士や院大姉のように院号つきの戒名となると相場は100万円以上です。
その費用が掛からないというのが最大のメリットであると言えるでしょう。
戒名の相場については下記の記事で詳しく解説しています。
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。あなたは「戒名の値段はいくらだと思う?」と尋ねられたらパッと答えることができるでしょうか。中には「うちのおじいちゃんの時は〇〇万円だったよ」と実際[…]
2.自分の好きな戒名をつけられる
もう一つのメリットは「自分の好きな戒名をつけられる」ことです。
基本構成や使ってはいけない漢字などはありますが、それでも自分のことを良く知らないお坊さんにつけてもらうよりかは納得のいく戒名がつけられるかと思います。
親しい人に「自分を漢字1文字で表すとしたら何?」と聞いてみて、回答の多かった漢字を使うというのも面白いかもしれないですね。
戒名を自分でつける3つのデメリット
1.菩提寺がいる場合はトラブルになる可能性もある
戒名は自分でつけてはいけないという法律は存在しませんが、慣習では菩提寺がつけることがほとんどです。
そのため…なのかは分かりませんが、菩提寺によっては「菩提寺がつけた戒名でないと葬儀に出ない」、「菩提寺がつけた戒名でないと納骨させない」といったトラブルに発展してしまう場合があります。
菩提寺が葬儀に出なくても他のお坊さんに出てもらえば良いという考えもありますが、菩提寺に建ててある先祖代々のお墓に自分だけ納骨してもらえないという事態は避けたいですよね。
ですので、菩提寺がいるが自分で戒名をつけたいと思っている方は、事前に菩提寺に確認というか相談をしておくことを強くオススメいたします。
2.慣習にこだわる親族から非難を受ける可能性がある
中には古い慣習をとても大事に思われている方もいらっしゃいます。
そんな方から見ると、戒名を自分でつけるなんて…と思われてしまうかもしれません。
赤の他人からどう思われようと気にはなりませんが、親族の中に慣習を大事にされている方がいると、自分の葬儀の時に家族が親族から非難を受けてしまうなんてことも可能性としてありえます。
そのため、戒名を自分でつける際には事前に親族に周知をして反応を伺ってからつけた方が良いかもしれません。
3.葬儀に来るお坊さんによっては戒名のつけ直しをされてしまう可能性がある
菩提寺がいない場合、葬儀のお坊さんは葬儀社が手配する場合が多くあります。
しかし、注意してください。
運が悪いとせっかく自分で戒名をつけていても、手配されたお坊さんに戒名のつけ直しをされてしまうかもしれません。
当然戒名代が掛かりますので、残された遺族が負担することになるでしょう。
なぜ戒名のつけ直しをされてしまうのか?
理由は大きく3つだと推測します。
- 戒名は僧侶がつけるものだという信念を持っている
- 戒名代がお寺にとって大きな収益源になっている
- 檀家になることを条件に葬儀に出るというお寺だった
上記のいずれかが当てはまるようなお坊さんが手配された場合はつけ直しをさせられてしまうかもしれません。
しかし安心してください。
そのようなお坊さんが手配されないように先手を打てば問題ありません。
ご家族に「自分の葬儀の時にはお坊さん派遣サービスを使うように」と伝えておきましょう。
お坊さん派遣サービスは菩提寺がいない方向けに、檀家になる必要無くお坊さんを派遣してもらえるサービスです。
この派遣サービスで派遣してもらえるお坊さんは基本的に
- 他のお寺でつけられた戒名でも問題なし
- 自分でつけた戒名でも問題なし
- 戒名が無くても問題なし
となっています。
私は前職でお坊さんを派遣していましたが、派遣サービスに登録しているお寺は実際に上記のいずれの場合でも問題なく対応してくれました。
さらに、葬儀社で手配されるお坊さんよりも圧倒的に費用も安いので助かります。
一日葬で葬儀社がお坊さんを手配した場合、お布施の相場は20万円~30万円になります。※戒名代は別。
一方、お坊さん派遣サービスでは65,000円で派遣してもらうことが可能です。
オススメのお坊さん派遣サービスについては下記の記事で紹介していますのでよければ併せてご覧ください。
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。「メディアで話題のお坊さん便」はお坊さん派遣(僧侶派遣)サービス最大手の1つで、「株式会社よりそう」が運営しています。株式会社よりそうは旧会社[…]
戒名をお坊さんに格安につけてもらう方法
戒名を自分でつけることの最大のメリットは費用が掛からないことです。
裏を返せば、戒名の費用を安く抑えたいから戒名を自分でつけると言えます。
ですが、もしも費用が掛からずにお坊さんに戒名をつけてもらうことができるとしたらどうしますか。
通常、お坊さんに戒名をつけてもらう場合、一番ランクが低い信士・信女でも20万円~30万円が相場になっています。
次に高いランクの居士・大姉では50万円~80万円、院号がついた院居士・院大姉ではなんと100万円以上が相場です。
流石にたった数文字の戒名をつけてもらうだけでそんな金額は払えないと思うのは当然かと思います。
しかし、それがたった3万円でどんなランクの戒名もお坊さんにつけてもらえるとしたらどうでしょう。
3万円でお坊さんに院号をつけてもらえるとしたら、破格ですよね。
もちろん、檀家になる必要もその後に掛かる費用もありません。
そんなありがたいことをしてくれているのが戒名と法要のかけこみ寺『本寿院』さんです。
本寿院さんの戒名(法名・法号)授与料金表を載せますのでご覧ください。
きっと驚かれると思います。
いかがでしょうか。
ビックリしました?
本寿院さんは全ての戒名が一律3万円でつけてもらえるのです。
”どのランクも”ということは相場が50万円~80万円の「居士・大姉・院信士・院大姉」でも3万円。
相場が100万円以上の「院居士・院大姉・院釋・院釋尼」も3万円です。
本寿院のご住職の「戒名の値段に対する考え」は下記の動画で話されています。
「戒名は高い安いではない」と明言されています。
このように、自分で戒名をつける以外にも戒名の費用を安くする方法はあるということを知っておいてもらえればなと思います。
ちなみに、本寿院さんについては下記の記事で詳しくご紹介していますので、よければあわせてご覧ください。
戒名にお金をかけたくない 位(ランク)の高い戒名をお得につけてもらいたい 葬儀の時に戒名をつけてもらわなかったが、やっぱり故人に戒名をつけてあげたい 戒名はつけてもらいたけど、檀家付き合いはしたくない 亡[…]
本記事は以上となります。