上記は私がお坊さん派遣(僧侶派遣)会社に勤めていた時にお客様からよく聞かれた質問です。
この質問に答える前に、お客様が仰る「ちゃんとしたお坊さん」というのはどんな人を指しているのか考えてみたいと思います。
- ちゃんとしたお坊さんとはどういうお坊さんか
- 派遣サービスで派遣されるお坊さんの特徴
編集長「こまど」の実績
- 年間10,000件以上の葬送サービスのご相談を対応
- 年間3,000件以上のお坊さん(僧侶)の派遣実績
世間が思う「ちゃんとしたお坊さん」の要素とは?
世間一般の方が思う「ちゃんとしたお坊さん」の要素とはなんでしょう。
- お寺で働いている
- 長年修行をした経験がある
- お経をちゃんと読める
こんなところでしょうか。
正解かもしれないし、間違っているかもしれません。
あなたが思う「ちゃんとしたお坊さん」の要素は上の3つの中に1つも無いかもしれませんし、全て当てはまっているかもしれませんね。
お坊さん派遣(僧侶派遣)会社としては、会社の基準を満たしているお坊さんを登録しているわけですが、その基準がお客様の求める「ちゃんとした」の定義とはかけ離れているかもしれません。
なので私は冒頭の「派遣されるお坊さんって、ちゃんとしたお坊さんなの?」という質問を受けた時はお客様に「お客様はどのようなお坊さんをご希望ですか?」と尋ねていました。
すると回答として多数を占めていたのは「お坊さんの資格だけ持ってて、お寺で働いていないようなお坊さんは嫌」というものでした。
お坊さん(僧侶)の資格とは
お坊さんの資格があるということをご存じでしたでしょうか。「僧籍(そうせき)」というものです。
多くの方が「お寺で修行した人=お坊さん」、「家がお寺で家業を継ぐために修行をしてお坊さんになる」といったイメージではないでしょうか。
そのイメージは間違いではありません。ただし、それだけでは僧侶としての正式な資格があるとは言えません。
私は僧侶の資格を持ってはいませんし、修行をしたことも僧侶になるための勉強をしたこともありません。
なので会社で働いていた時に何人かのお坊さんに教えていただいた話を要約する形で少しお話させていただきます。
まず、驚かれると思いますが僧侶になるための勉強は「通信教育」でも学ぶことができるそうです。
実際、「浄土真宗本願寺派 中央仏教学院 通信教育」という学校もありました。
実際にお寺で修行をさせてもらいながら僧籍取得を目指すという方法ももちろんありますが、通信教育という方法もあるなんて驚きますよね。
そして各宗派で定められた筆記試験や実技試験に合格し、僧侶として正式に所属宗派に登録されて初めて僧侶であると名乗れます。
所属宗派に僧侶として登録された籍なので「僧籍」といいます。
逆に言うと、何か問題を起こして僧籍をはく奪させられると、その人は僧侶ではなくなるということですね。
ちなみに、僧籍の証明書は卒業証書のように大きいため持ち歩きは難しいようです。
そこで「一般社団法人 日本仏教協会」が持ち歩きができるカード型の「僧侶資格証明証」の発行を2019年11月20日から開始したそうです。
【出展】
お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスで派遣されるお坊さんはどんな人?
さて、前置きが長くなりましたが冒頭の「派遣されるお坊さんって、ちゃんとしたお坊さんなの?」について回答したいと思います。
「ちゃんとしたお坊さん」=「僧侶資格を持った正式なお坊さん」か
まず、「ちゃんとしたお坊さん」というのが「僧侶資格を持った正式なお坊さん」という意味であれば、派遣会社から派遣されるお坊さんは「ちゃんとしたお坊さんである」と言って間違いないでしょう。
会社も信用第一ですから、誰彼構わず登録させるわけにはいきません。
そのため、どこの派遣会社も僧侶資格証明書の提出を義務付けていると思います。
私の勤めていた会社も登録希望のお坊さんには提出を義務付けていました。
「ちゃんとしたお坊さん」=「お寺で働いているお坊さん」か
次に、「ちゃんとしたお坊さん」というのが「お寺で働いているお坊さん」という意味であれば、派遣会社から派遣されるお坊さんは「ちゃんとしたお坊さんではない」可能性があります。
その理由は、派遣会社によって登録基準が2つあると思われます。
- 僧侶資格を有していて、寺院に所属しているもの
- 僧侶資格を有しているもの
”思われます”と書いたのは、私の勤めていた会社では「僧侶資格を有していて、寺院に所属しているもの」を登録基準にしていましたが、他社ではどうだったのかを直接確認をしたわけではないためです。
しかし、お客様に聞いた話では「別の会社に頼んだ時は資格だけ持っててお寺で働いていないフリーランスのようなお坊さんが来た」という話を聞きました。
そのため、前述したお客様の「お坊さんの資格だけ持ってて、お寺で働いていないようなお坊さんは嫌」という回答については、依頼する派遣会社によってはお寺で働いていないフリーランスのようなお坊さんが派遣される可能性がある、ということになります。
派遣されるお坊さんの人柄は
派遣されるお坊さんの人柄は、一言で言うと「良い人」がほとんどです。
というのも、人柄に問題があれば当然派遣会社にクレームが入ります。
そうなるとそのお坊さんには今後仕事の依頼をしなくなります。
そういったふるいにかけられて残っているお坊さんが派遣されるため、人柄が良い人がほとんどです。
各社とも既に何年も「お坊さん派遣(僧侶派遣)サービス」を提供していますので、ふるいはほとんどかけ終わっていると思っていいかと思います。
ですが運悪く見つかっていなかった人柄の「良くない人」が当たってしまう可能性は0ではありません。
フリーランスのようなお坊さんが派遣されないようにするためには
僧侶の資格は持っていても普段からお寺に勤めていないフリーランスのようなお坊さんは嫌だという方は、派遣会社に「お寺に所属しているお坊さんでお願いします」と伝えてみてください。
「え?それだけ?」と思われるかもしれませんが、この一言を言うのと言わないとでは、フリーランスのお坊さんが派遣される可能性が大きく変わります。
会社によっては「そういう指定はできません」と言われるかもしれませんがお気になさらず。
そういう場合は他の派遣会社に問い合わせしてみましょう。
中には「お寺勤めのお坊さんだけを派遣します」ということを他社との差別化にしている派遣会社もあります。
まとめ
タイトルの「お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスで派遣されるお坊さんはどんな人?」に一言で回答するなら「僧侶資格を持った正式なお坊さん」となります。
お寺で働いているお坊さんかどうかは派遣会社によります。
お坊さんの人柄については、「良い人」がほとんどです。
「お坊さん派遣(僧侶派遣)サービス」の利用を検討されている方は、依頼時に派遣会社へ「お寺に所属しているお坊さんでお願いします」と伝えてみてください。