葬送サービス業界に勤めていた時に、若いお客様から初盆法要のお坊さん派遣のご依頼を頂いた際に下記の質問をいただきました。
「初盆と新盆ってどう違うんですか?」
これは私も業界に入ってからお坊さんに直接聞いて知ったことでしたので、一般の方は知らなくてもなんら不思議ではありません。
せっかくなので「初盆」と「新盆」の違いについて、しっかりと解説したいと思います。
- 初盆とは
- 新盆とは
- 初盆と新盆の違いとは
- 6~8月に亡くなった場合の初盆はいつか
- 初盆を迎えるまでに準備すること
- 初盆法要に参列する時の服装
- 菩提寺がいなくてもお坊さんを呼ぶ方法
- 初盆の香典返し(返礼品)のオススメ
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初盆とは
初盆とは故人が亡くなって四十九日を過ぎた後に初めて迎えるお盆のことを指します。
初盆の読み方は「はつぼん」や「ういぼん」となります。
地域によって読み方があるようですが、メディアでは「はつぼん」と呼んでいることが多いようです。
新盆とは(新盆の読み方もお教えします)
新盆の読み方は地域によって「にいぼん」「しんぼん」「あらぼん」といったものがあります。
新盆の意味は2種類あります。
1つ目は「初盆」と同じく、故人が亡くなって四十九日を過ぎた後に初めて迎えるお盆という意味。
そしてもう一つが新歴のお盆という意味になります。
「にいぼん」と言うと「初盆」と同じ意味、「しんぼん」と言うと新暦のお盆という意味で使うイメージが強いですね。
新暦のお盆とは何か
日本では元々旧暦として太陰暦が使われていました。
しかし、明治時代に新暦の太陽暦(グレゴリオ暦)が使われるようになり、旧暦と新暦でお盆の時期がズレることになりました。
具体的には、明治5年12月3日に旧暦から新暦に変更されたのですが、明治5年12月3日を明治6年1月1日としたのです。
つまり、旧暦で世の中が動いていたのは明治5年12月2日までということになり、明治2年12月3日~明治2年12月末日までの約1か月間が消滅したことになります。
こうなると、旧暦と新暦で約1ヵ月間のズレが生じますよね。このズレがお盆の時期にも影響を及ぼしました。
旧暦ではお盆は7月15日だったのですが、新暦の7月というと農繁期にぶつかってしまうという事態になりました。
とてもじゃないが農繁期にお盆の準備などしてられないということでお盆の時期を1ヵ月遅らせて8月15日とするようになったという経緯があります。
現在も東京都の都市部や静岡市など、一部の地域では7月13日~7月16日の期間でお盆を行っていたりしますが、大多数の地域は8月13日~8月16日にお盆を行っています。
この新暦のお盆を「新盆」と呼ぶこともありますし、「月遅れ盆」と呼ぶこともあります。
初盆と新盆の違いとは
初盆と新盆は、故人が亡くなって四十九日を過ぎた後に初めて迎えるお盆という意味では違いはありません。
呼び方に違いがあるのは地域によって呼び方が異なるというだけです。
下記に主な地域と主な呼び方を列挙します。
- 東北:新盆(にいぼん)
- 千葉県・長野県:新盆(しんぼん)
- 関東地方:新盆(にいぼん)
- 四国地方:新盆(にいぼん)
- 関西・九州地方:初盆(はつぼん)
とはいえ、東京都に住んでいる方でも両親の出身地方によって「にいぼん」と呼んでいることもあれば、「しんぼん」と呼ぶこともあります。
呼び方に厳密なルールは無く、意味はどれも同じなので「初めて迎えるお盆」と覚えておけば大丈夫です。
本記事内では以下「初盆」に統一して書いています。
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6月や7月、または8月のお盆期間中に亡くなった場合の初盆はいつ?
繰り返しになりますが、初盆は故人が亡くなって四十九日を過ぎた後に初めて迎えるお盆のことを指します。
亡くなって四十九日を過ぎることを「忌明け(きあけ)」とも呼ぶため、初盆を忌明け後に初めて迎えるお盆と表現することもあります。
例えば5月5日に亡くなった場合、四十九日後は6月22日になります。
お盆までに忌明けしているため、亡くなった年と同じ年のお盆が初盆になります。
では、忌明けをお盆期間中やお盆のギリギリ前に迎えるなどの場合の初盆はいつになるでしょうか。
下記に詳しく解説します。
6月に亡くなった場合の初盆はいつか
仮に6月1日に亡くなったとします。
四十九日後は7月19日なります。
この場合、7月にお盆を迎える地域では既にお盆を終えているので、初盆は翌年になります。
しかし、8月にお盆を迎える地域であればお盆に間に合いますので初盆は同じ年に迎えることになります。
ですが6月末に亡くなった場合は忌明けが8月のお盆も過ぎてしまいますので、初盆は翌年のお盆になります。
7月に亡くなった場合の初盆はいつか
7月に亡くなった場合、たとえ没日が7月1日であっても忌明けが7月のお盆も8月のお盆も過ぎてしまいます。
そのため、7月に亡くなった場合は必然的に翌年のお盆が初盆になります。
8月のお盆期間中に亡くなった場合の初盆はいつか
例え亡くなったのがお盆期間中であっても、亡くなった故人が忌明け後初めて迎えるお盆は翌年になります。
そのため、8月のお盆期間中に亡くなった方の初盆は翌年になります。
忌明けがお盆を迎えるギリギリ前になる場合の初盆はいつか
6月28日に亡くなった場合、四十九日後は8月15日になります。この場合は既に盆入りしているので、初盆は翌年になります。
6月26日に亡くなった場合、四十九日後は8月13日になります。盆入り当日ではありますが、亡くなった年を初盆として捉えてもいいでしょう。
6月25日に亡くなった場合、四十九日後は8月12日になります。盆入り前ですので亡くなった年を初盆として問題はありません。
しかし!いずれの場合も忌明け後すぐに初盆を迎えてしまう場合は、無理にその年に初盆を行わず、翌年に行うことを推奨します。
理由は、初盆は通常のお盆と異なり親族を招待しての法要や会食を行うのが一般的なためです。
ですが、初盆の前には四十九日法要で親族を招待していることでしょう。
短期間で何度も親族を招くのはあなたにとっても親族にとっても負担が大きくなってしまうことが予想されます。
そのため無理に初盆を同じ年に行わず、翌年に行うようにしましょう。
ただ私の経験上、四十九日と初盆の日程が近い場合には、同日に両方の法要を行うケースが増えています。
実際、そのようなご依頼にお坊さんを派遣してしましたが、お坊さんも特に問題なく同日に2つの法要を行ってくれていました。
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初盆とお盆の違い
お盆も初盆も、亡くなった人が家に帰ってくる日と言われていますが、初盆は亡くなった人が“初めて”家に帰ってくるので、通常のお盆よりも特別なものとして扱われます。
そのため、初盆では親戚を招待しての「法要」や「会食」、「お墓参り」といったことを行うのが一般的です。
初盆以降のお盆では法要を行わないことも多いですが、初盆では親戚とお坊さんを呼んで法要を行うことがほとんどです。
そのため、お布施や香典返しも用意をする必要が出てきます。
初盆までに準備すること
初盆を迎えるために下記の準備をしましょう。
- お仏壇・お墓の掃除
- お供え物・お盆飾りの用意
- 法要のお坊さんの手配(菩提寺がいる場合は菩提寺へ連絡)
- 招待状の作成・発送
- 会食場所の手配
- 参列してくれる方への返礼品の用意
初盆(新盆)は故人が亡くなって四十九日を過ぎた後に初めて迎えるお盆のため、通常のお盆よりも特別なものとして扱われます。
具体的には親族が集まり法要に参加し、法要後には会食をするというのが一般的な初盆(新盆)になります。
参列してもらいたい人への招待状の発送は、余裕をもって1か月前にはしておきたいところです。
そのため、事前に会食場所の予約を取る必要も出てくるでしょう。(自宅で会食をする場合は不要ですね)
また、参列者は香典を持参されるので、返礼品の用意も忘れずに。
そして何より、法要のお坊さんの手配を最優先に行いましょう。
お盆はお坊さんのスケジュールが分刻みになっているので、ギリギリにお願いしても対応してもらうことは難しいでしょう。
2か月前からお坊さんにお盆の予約をしてもなんらおかしくありません。早め早めにお願いしておきましょう。
初盆には白提灯を吊るす
初盆だからといって、飾りやお供え物は通常のお盆の時と大きく変わりません。
お盆の準備の仕方・お供え物などについては下記の記事を参考にしてください。
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。子供の頃からお盆になると親族が集まって食事をしたという方も多いかと思います。子供の時はなんとなくお盆=大人も休みでみんなが集まる時期という印[…]
お盆と初盆で大きく変わる点として、初盆では「白提灯」があります。
白提灯は故人が初めて浄土から家に帰ってくる時に迷わないための目印として玄関先に吊るすのが一般的です。
初盆法要に参列する時の服装
初盆法要に参列する時に、服装で迷ったら「礼服(喪服)」を着ていけば間違いありません。
喪服を着ていけば間違いはありませんが、初盆法要の服装については特にこれといった決まりがありません。
ですので、喪服はちょっと…という場合は紺色などの落ち着いた色の派手すぎない平服でも問題ありません。
靴やカバンも黒や落ち着いた色のものにしましょう。
女性の場合はアクセサリーも派手なものは付けず、白か黒のパールにしておくと無難です。
私が葬送サービス会社に勤めていた時もよく初盆法要のお坊さん派遣の依頼があり、服装についての質問もよくいただきました。
私が宗派別に何人かのお坊さんに尋ねたところ、皆さん「服装はなんでも大丈夫ですよ。落ち着いた色だと無難ですね。」といった回答でしたのでご安心ください。
菩提寺がいなくても大丈夫!お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスで初盆法要のお坊さんを手配できる
お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスとは
お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスとは菩提寺がいない(どこのお寺の檀家にもなっていない)人向けに、法要や葬儀の時にお坊さんを手配してもらえるサービスです。
檀家になる必要はなく、お布施も低額となっています。
必要な時にだけお坊さんを呼ぶことができるので、現代に非常にマッチしたサービスになっています。
お布施の金額は?
お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスでお盆法要をお願いした時のお布施の相場は35,000円~50,000円となっています。
お膳料、お車代も全て込みの金額となっているので上記の金額以上に払う必要はありません。
オススメのお坊さん派遣(僧侶派遣)サービス
大手のお坊さん派遣(僧侶派遣)会社といえば
の3社が挙げられます。
と言っても、葬送サービス会社でお坊さん派遣をしていた私の意見としては、正直どの会社を選んでも派遣されるお坊さんは同じ可能性が高いです。
なぜかというと、一人のお坊さんもしくは1つのお寺が複数の派遣会社に登録しているのが当たり前なので、どの会社経由で依頼しても最終的には同じお坊さんが派遣される可能性が高いわけです。
同じお坊さんが手配されるのであれば、料金が一番安いところがオススメですね。
上記の3社の料金は下記のようになっています。
結論。よりそうお坊さん便が一番安い。
ただし、初回限定の料金になっているのでご注意ください。
過去によりそうお坊さん便で法要のお坊さん派遣をしていると、通常料金の45,000円になります。
>>「よりそうお坊さん便」で初盆法要のお坊さんを手配してもらう
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。「メディアで話題のお坊さん便」はお坊さん派遣(僧侶派遣)サービス最大手の1つで、「株式会社よりそう」が運営しています。株式会社よりそうは旧会社[…]
お盆のお坊さん派遣予約はお早めに!
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初盆の香典返し(返礼品)のオススメ
初盆に香典やお供え物をもらった時に、迷うのはそのお返しですよね。
お返しが必要な場合と不要な場合、お返しをする時の金額感やオススメ品について解説します。
香典返し(返礼品)が不要な場合
香典をもらっていない場合は当然香典返しを渡す必要はありません。
しかし、香典ではなくお供え物をもらった場合は少し迷ってしまいますね。
そんな時は、食事をふるまっているかどうかでお返しする必要があるかどうかが決まります。
香典は無くお供え物をもらったが、食事をふるまっていた場合は食事でお返しができているので、その他のお返しは不要です。
香典をもらった場合
香典をもらった場合はその金額の半額~3分の1の金額が香典返しの相場です。
初盆の香典の相場が5,000円~10,000円なので、初盆の香典返しの相場は1,500円~5,000円ということになります。
お供え物が宅配で届いた場合
初盆では盆提灯がお供え物として届くことがあります。
遠方で法要・会食に参加できない場合や都合がつかず来られないという時にお供え物だけ送ってくれるということも珍しくありません。
そういう場合のお返しにはいくらくらいのものを用意すれば迷ってしまいますね。
一般的にお供え物が宅配で届いた場合は、同額程度のものをお返しします。
とはいえ品物を見ただけで金額まで分かることは少ないでしょう。
そんな時は初盆の香典返しの相場である3,000円程度のものを用意するのが無難です。
初盆の香典返し(返礼品)には消耗品を選ぶ
一般的に初盆の香典返しには「消耗品」を送ります。
形が残り続けるものだと、大切な人を亡くした悲しみを引きずってしまうからと言われます。
初盆のお返しの定番は洗剤・タオル・ゼリー・水ようかん・そうめん・焼き菓子などです。
香典返しの金額が高額になる場合、品物を送ろうとすると大量になってしまうので、カタログギフトを送るという方法もあります。
まとめ
繰り返しになりますが、初盆法要は故人が亡くなって四十九日を過ぎた後に初めて迎えるお盆のため、通常のお盆よりも特別です。
通常のお盆では形式よりも故人への感謝と供養の気持ちが大切だと考えている私ですが、初盆法要では親族が集まって法要や会食を行うのが一般的なため、ここは頑張って形式もきちっと整えておきたいところです。
せっかく親族に集まってもらったのに、お坊さんのスケジュールを抑えられなかった・会食場所を予約できなかったという事態にならないよう、早め早めに準備をするようにしましょう。
多くのサイトでは1か月前から準備をと言っていますが、みんなが1か月前から一斉に動き出す前に、2か月前からお坊さんも会食場所も抑えておくことをオススメします。