私は年間10,000件を超える葬送サービスに関するご相談を頂きました。
葬送サービスとは葬儀、僧侶派遣、仏壇の購入、仏壇処分、お墓の購入、永代供養墓、散骨といった様々なものが含まれます。
その中でも、墓じまいや改葬に関しては年間2,000件以上のご相談があり、全体の約5分の1を占める程大勢の方からご相談がありました。
なぜ、墓じまいや改葬を検討されている人がこれほど多いのでしょうか。
この記事では、その理由について実際にお客様に聞いた「墓じまいを決心した理由」なども交えて解説いたします。
- お墓じまいを検討中の方
- 墓じまいが選ばれる理由を知りたい方
- 実際に墓じまいをした人の声を知りたい方
編集長「こまど」の実績
- 年間10,000件以上の葬送サービスのご相談を対応
- 年間2,000件以上の「墓じまい」のご相談を対応
- 年間300件以上の「墓じまい」を施行
墓じまい・改葬が選ばれる3つの理由
墓じまい・改葬が選ばれる3つの理由については、下記の「まごころ価格ドットコム調べ」のアンケート結果も参考に解説していきます。
お墓が遠方で墓参りや墓守が大変
「まごころ価格ドットコム調べ」のアンケート結果では、墓じまいをする理由の第1位となったのが「お墓が遠方で墓参りや墓守が大変」というものでした。
私がお客様から直接ヒアリングした中でも1、2を争うほど多かった理由です。
特に、田舎に住んでいる両親が亡くなったため、両親のご遺骨は自宅近く建てたお墓へ納骨し、田舎の既存墓は墓じまいするという方が多くいらっしゃいました。
既存墓に納骨されている遺骨も併せて新規墓へ改葬する方もいれば、既存墓の遺骨は永代供養墓へ改葬したり、海洋散骨をするという方もいらっしゃいました。
後継ぎがいない
「まごころ価格ドットコム調べ」のアンケート結果では第2位でした。
実際に墓じまいのご相談をいただいたお客様の中でも「お墓が遠方で墓参りや墓守が大変」に並び1、2位を争うほど多かった理由です。
後継ぎがおらず、墓じまいをしないままご自身が亡くなってしまうと、お墓は無縁仏になってしまいます。
そのため無縁仏にならないよう、「自分が生きているうちにきちんとお墓じまいしたい」と希望される方が大勢いらっしゃいました。
子供や孫に面倒を掛けたくない
「まごころ価格ドットコム調べ」のアンケート結果では第3位でした。
このアンケート順位には概ね納得です。
実際のお客様の声としては、この理由で墓じまいを決心される方の多くは寺墓地にお墓をお持ちでした。
墓じまい・改葬をする前に「不安だ」と思っていたこと3選
「まごころ価格ドットコム調べ」のアンケート結果と、実際のお客様の声を参考に墓じまいを開始する前に感じていた「不安」のTOP3を解説いたします。
墓じまいに掛かる費用
「まごころ価格ドットコム調べ」のアンケート結果では3位でしたが、実際にお客様からのご相談で一番多かったのは「墓じまいに掛かる費用について」でした。
墓じまいに掛かる費用としては下記のようなものがあります。
- お墓の解体撤去に掛かる工事費用
- 改葬先(永代供養墓や納骨堂など)の契約費用
- お墓の閉眼供養のお布施
「いくらくらい掛かるんだろう…」と不安に思われているお客様が多くいらっしゃいました。
お寺や業者とのやりとり
「まごころ価格ドットコム調べ」のアンケート結果では驚きの1位でした。
寺墓地にお墓が建っている場合、墓じまいをするためには住職の承諾を得る必要があります。
「墓じまいをする=離檀する」という場合がほとんどのため、墓じまいに難色を示すお寺も稀にあります。
また、法外な離檀料を請求されるという噂が独り歩きした結果、墓じまいを検討するにあたってお寺とのやりとりに不安を感じる方が多くいるのだろうと推測します。
きちんと手順を踏んで筋を通せばすんなりと墓じまい及び離檀をすることは可能です。
寺墓地の墓じまいについては下記の記事をご参考ください。
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。この記事はお寺にお墓が建っている方で墓じまいを検討されている方向けの手順書になっています。 墓じまいをしたいけど何から手をつければいいか分か[…]
どうしてもという場合は弁護士に相談するのがベターです。
兄弟姉妹や親戚との話し合い
「まごころ価格ドットコム調べ」のアンケート結果では「墓じまいを始める前に感じていた不安」の第2位でした。
お墓は自分のものというよりは”一族のもの”という認識が強いため、たとえ自分が後継ぎで長男・長女であっても自分一人の一存ではなかなか進められないようです。
中には、お墓の面倒を一切見ないのに口出しだけはしてくる厄介な親族というのもいるようですね。
墓じまい・改葬を実際に行った中で「大変だった」こと3選
次は、実際に墓じまい・改葬を行った中で「大変だった」ことのアンケート結果です。
墓じまいを始める前と実際に始めた後で、アンケート結果はどう変わったのでしょうか?
兄弟姉妹や親戚との話し合い
墓じまいを実際に行った中で大変だったこと1位は「兄弟姉妹や親戚の話し合い」でした。
これは驚きの結果であると同時に、ある意味納得の結果かなとも思います。
実際に私がお手伝いをしたお客様の中でも、下記のようなことがありました。
墓じまいの見積りにもご納得いただき、契約も済んで来週にお墓の解体撤去工事をするという段階にきて突然お客様から「親族から墓じまいNGと言われてしまったのでキャンセルしたい」という連絡が。
どうやら最後の最後まで親族には墓じまいをすることを黙って進めていたようで、契約後に報告をすれば止められないだろうと考えていたそうなのですが、案の定親族から強い反対を受けてしまい墓じまいを止めざるを得なくなったとのこと。
お寺や業者とのやりとり
事前の不安では1位だった「お寺や業者とのやりとり」が、実際に墓じまいを行った中で大変だったことでは2位になりました。
思ったよりはスムーズにいったけど、それでも大変なことには変わりなかったということでしょうか。
お寺とのやりとりと業者とのやりとりのどちらが大変だったのかは不明確なのでなんとも言えませんが。
墓じまいの行政手続き(改葬手続き)
実際に墓じまいを行った中で大変だったことの第3位は「墓じまいの行政手続き(改葬手続き)」でした。
アンケートの対象者で共同墓地にお墓が建っていた人が少なかったのかもしれませんね。
改葬手続きの詳しい流れについては下記の記事を参照ください。
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。お墓じまいを検討されている方は「改葬許可証(かいそうきょかしょう)」という言葉を聞いたことがあるかと思います。でも「具体的な取得方法についてはイマ[…]
行政手続き(改葬手続き)が面倒という方は、遺骨を永代供養墓や別のお墓へ改葬するのではなく、「海洋散骨」という方法で解決できます。
改葬とは、今納骨されているお墓から遺骨を取り出し、別のお墓へ遺骨を埋葬することを言います。
しかし、海洋散骨は埋葬にはあたらないため、改葬にもあたりません。
改葬にはあたらないため、面倒な行政手続きも不要になります。
海洋散骨については下記の記事で詳しく解説していますので、よければ併せてお読みください。
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。突然ですが「散骨(さんこつ)」という言葉を聞いたことはありますか。最近ではお墓や永代供養墓ではなく、散骨の中でも特に海洋散骨を選択する人が増えてい[…]
墓じまい後の改葬先TOP3
おまけになりますが、「まごころ価格ドットコム調べ」のアンケート結果による改葬先TOP3を紹介します。
永代供養墓を購入した
堂々の1位は「永代供養墓」への改葬でした。
永代供養墓には
- 費用が安い
- お墓の管理をしなくて済む
- 無縁仏にならずに済む
といったメリットがあるので、1位も頷けます。
編集長「こまど」こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。永代供養墓(えいたいくようぼ)というとどんなイメージがあるでしょうか。最近は霊園でも永代供養墓を取り扱っているようですが、一昔前までは「永代供養墓[…]
新しくお墓を建立した
2位は「新しいお墓の建立」でした。
墓じまいをする理由の第一位が「お墓が遠方で墓参りや墓守が大変」ということから考えると、遠方のお墓を墓じまいして近くに新しくお墓を建立される方が多かったのだと推測します。
既に建てていたお墓に埋葬した
3位は「既に建てていたお墓に埋葬した」でした。
これは2位の「新しくお墓を建立した」と、理由は同じく「お墓が遠方で墓参りや墓守が大変」なので近くに改葬したのだと推測します。
2位と3位の違いは、先にお墓を建ててから墓じまいをしたのか、墓じまいと並行して新しいお墓を建立したのかといった、お墓建立のタイミングの違いかと思われますね。
まとめ
墓じまい・改葬が選ばれる3つの理由はいかがでしたでしょうか。
- お墓が遠方で墓参りや墓守が大変
- 後継ぎがいない
- 子供や孫に面倒を掛けたくない
納得のいく結果でしたでしょうか。
それとも意外な結果でしたでしょうか。
また、墓じまい・改葬を実際に行った中で「大変だった」ことの第1位は「兄弟姉妹や親戚との話し合い」でした。
墓じまい・お坊さん派遣・改葬先(永代供養墓・納骨堂・散骨)について、質問や相談などありましたら下記お問合せフォームからお気軽にご相談ください。