【手順】共同墓地の墓じまいに必要な準備・手続きを元業界人が徹底解説

編集長「こまど」
こんにちは。「葬送情報局」編集長のこまどです。

この記事は共同墓地にお墓をお持ちで墓じまいを検討されている方向けの手順書になっています。

  • 墓じまいをしたいけど何から手をつければいいか分からない
  • 墓じまいをするには何を準備すればいいか分からない
  • 墓じまいの手順・流れを知りたい

自分のお墓が共同墓地かどうか分からないという方は、

  • 公営霊園
  • 民営霊園
  • 寺墓地
  • 私有地

のどれにも当てはまらなければ、その墓地は共同墓地と思っていただいて十中八九間違いありません。

共同墓地の墓じまいで大変なのは

  • 墓地管理者を特定する
  • 墓地の場所を石材店へ伝えて見積りを取る

の2点だけです。

それ以外は他の墓地と同じように手順に沿って進めれば問題ありません。

  • 共同墓地にお墓が建っている方
  • お墓じまいを何から始めれば良いか分からない方
  • お墓じまいの準備を進めたい方

年間2,000件以上のお墓じまいの相談を受けていた私が、実際にお客様へお伝えしていた手順内容をそのまま記事にしました。

これからお墓じまい検討しているという方はぜひ本記事を参考にしてもらえれば幸いです。

編集長「こまど」の実績

  • 年間10,000件以上の葬送サービスのご相談を対応
  • 年間2,000件以上の「墓じまい」のご相談を対応
  • 年間300件以上の「墓じまい」を施工

お墓じまいの手順は墓地の種類によって異なりますので、共同墓地以外の墓地で墓じまいの手順を知りたい方は、下記のページから該当する墓地を選んでご覧ください。

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墓じまいは何から始めればいい?墓じまいの手順を元葬送業界人が徹底解説!のアイキャッチ画像
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共同墓地とは

共同墓地のイメージ写真

共同墓地とは町や村などに見られる墓地で、その辺りの家々が共同で使用している墓地になります。

運営管理しているのはその地域の自治会になっています。

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共同墓地の墓じまいの手順

共同墓地の墓じまいのステップイメージ写真

共同墓地に建っているお墓の墓じまいをする時は、下記の手順に沿って進めていくとスムーズです。

  1. 墓地管理者である自治会を探す
  2. 墓地の承継手続きをする
  3. 遺骨の改葬先の永代供養墓や納骨堂を探す
  4. 墓じまい工事費用の見積りを取る
  5. 改葬先の契約をする
  6. 改葬許可証を取得する
  7. 見積りを取った中から工事を依頼する石材店を決める
  8. お墓の閉眼供養(魂抜き)の日取りを決める
  9. 墓じまいの工事申請をする
  10. お墓の閉眼供養(魂抜き)を行う
  11. 工事着工&遺骨を受け取る
  12. 「工事完了届」&「墓地返還届」の提出
  13. 遺骨を改葬先へ納骨する
編集長「こまど」
それでは一つ一つ詳しく解説していきます。

1.墓地管理者である自治会を探す

共同墓地の墓じまいで一番苦労するのがこの第一ステップです。

共同墓地の管理者はその地域の自治会になっているのですが、その地域に住んでいないと連絡先が分からないということが多いためです。

例えば、何十年も前に引っ越したがお墓だけは引越し前の地域の共同墓地に残したままになっている場合などですね。

また、昔のメモから自治会長の連絡先を発見したとしても、既にその方がお亡くなりになれていたり、引っ越されていると手がかりが無くなります。

墓じまいをする際には、市区町村役場で発行してもらう「改葬許可証(かいそうきょかしょう)」が必要になりますが、この改葬許可証の申請書類には墓地管理者の署名・捺印が必須になります。

そのため、どうにかしてあなたのお墓がある共同墓地を管理している自治会を探す必要があります

編集長「こまど」
主な探し方は以下の3つです。
  • 共同墓地に自治会の連絡先が書かれた看板などが無いか確認する
  • 周辺住民に聞き込みをする
  • 共同墓地がある市区町村の役場に尋ねてみる

それぞれの方法について詳しく解説しますね。

共同墓地に自治会の連絡先が書かれた看板などが無いか確認する

共同墓地の入り口などに墓地管理者である自治会の連絡先が書かれていることがあります。

特に最近では墓じまいをされる方が増えている傾向から、

この墓地内のお墓を墓じまいする場合は、必ず事前に○○まで連絡をしてください

と大きく看板が立てられていることもあります。

編集長「こまど」
実際にお客様の墓じまいをお手伝いした時に見かけました。
このように連絡先を掲げていてくれれば非常に助かるのですが、現実はそう甘くなく、無いことがほとんどです。

周辺住民に聞き込みをする

共同墓地に連絡先が書かれていないのであればしょうがないので地道に探してみましょうか。

その共同墓地の周辺の家々に聞きまわれば管理している自治会を見つけられるかもしれませんね。

しかし、知らない家を訪ねて歩くというのはなかなか勇気がいるものです。

そこでオススメなのが下記に紹介する3つの方法になります。

共同墓地がある市区町村の役場に尋ねてみる

対象の共同墓地がある市区町村の役場に尋ねてみると、意外とすんなり見つかる可能性が高いです。

編集長「こまど」
以下に私が実際に行った役場とのやり取りを再現しますね。

私:(役場へ電話)「お墓じまいの予定で、改葬許可証についてお尋ねしたいのですが。」

役場:「では○○課へ繋ぎますね。」

役場:「○○課の××です。改葬許可証についてどのようなことでお困りでしょうか。」

私:「墓じまい予定のお墓が建っているのが共同墓地で、墓地管理者の連絡先が分からず困っています。そちらで連絡先が分かりますでしょうか。」

役場:「墓地の名称は分かりますか。」

私:「名称は分かりません。場所は○○市△△町□丁なんですが、番地がはっきりしなくて…。近くに◆◆小学校があります。」

役場:「その辺りは☆☆自治会の地域ですね。自治会長さんの連絡先がこちらで分かるので、一度連絡を取ってみます。」

私:「よろしくお願いいたします。」

~~~~しばらく経って~~~~

役場:「自治会長さんと連絡が取れました。☆☆自治会がその墓地の管理をされていました。
自治会長さんからあなたへ自分の連絡先をお伝えしても良いという許可を頂きましたので、直接連絡を取ってみてください。」

私:「ありがとうございます。助かりました。」

このように、役場で共同墓地を管理している自治会を把握していることが結構あります

そのため、共同墓地周辺の家々を尋ねて回る前にまずは役場へ連絡をしてみることをオススメいたします。

2.墓地の承継手続きをする

このステップは不要な場合もあります。

墓地管理者である自治会が管理している記録上、墓じまいを申請するあなたが墓地の契約者として登録されていない場合に行うことになります。

墓じまいの手続きは墓地の契約者しか行うことができないため、前の契約者からあなたに契約者を変更する必要があります。

墓地の契約者を変更する手続きを「墓地承継手続き」と呼びます。

墓地の前の契約者はあなたのお父さんやお母さんになっていることがほとんどですね。場合によってはおじいさんやおばあさんのままになっていることもあります。

ただ、共同墓地の場合は前の契約者との関係が分かる戸籍などを提示すればOKという場合もあります。

3.遺骨の改葬先の永代供養墓や納骨堂を探す

無事に墓地管理者の自治会を見つけることができたら、改葬先を探しましょう。

遺骨を今納骨されているお墓から別の場所へ移すことを「改葬(かいそう)」、移し先を「改葬先」と呼びます。

改葬先を決めておかないと墓じまいした後の遺骨の扱いに困ることになるので注意してください。

主な改葬先は下記の3つのいずれかになります。

  • 永代供養墓
  • 納骨堂
  • 別のお墓

最も費用が安いのは「永代供養墓」です。

お墓の建立費用の相場は墓石だけで50万円~数百万円、お墓を建てるための霊園内の土地の購入にも数十万円~百万円近くの費用が掛かります。

また、納骨堂も相場は1柱(柱=遺骨の単位)につき数十万円~百万円近くになっています。

一方、永代供養墓の場合は1柱3万円~10万円程度で済みます

編集長「こまど」
私の経験上、墓じまい後の遺骨は永代供養墓へ改葬するという方が一番多かったです。

下記の記事では「永代供養墓のメリット・デメリット」に加え、費用の安い永代供養墓の探し方についても解説しています。

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4.墓じまい工事費用の見積りを取る

改葬先の目星が付いたら墓じまい工事の見積りを取りましょう。

この時点ではまだ改葬先の契約をしてはいけません。

墓じまい工事の見積りを取る際は必ず相見積りを取りましょうね。それが費用を抑える秘訣です。

編集長「こまど」
お墓じまい工事費用を安く抑える方法については下記の記事で詳しく解説していますのでぜひご一読ください。
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遠方にある墓地で、あなたが現地に行かずに見積りを取る方法については下記の記事を参考にしてください。

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5.改葬先の契約をする

納得のいく工事費用の見積りが取れたら改葬先の契約をします。

見積りを取る前に契約してしまうと、万が一工事費用が高額で墓じまいを断念しなくてはいけなくなった際に改葬先の契約金が無駄になってしまいますので注意してください。

改葬許可証を取得するためには改葬先を決めておく必要があるので、このタイミングで契約します。

6.改葬許可証を取得する

改葬許可証は共同墓地がある市区町村の役場で取得します。

改葬先の市区町村ではないので注意してください。

改葬許可証の詳しい取得方法については下記の記事を参照ください。

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7.見積りを取った中から工事を依頼する石材店を決める

改葬許可証も無事に取得ができたら、工事を依頼する石材店を決めましょう。

相見積りを取った中から好きな石材店を選び、「御社にお願いしたい」と連絡すればOKです。

8.お墓の閉眼供養(魂抜き)の日取りを決める

いよいよ工事着工…といきたいところですが、その前にまだやることがあります。

それがお墓の「閉眼供養(へいがんくよう)」または「魂抜き(しょうぬき)」と呼ばれる儀式をすることです。

私は無宗教なので必要無い、と思ってもこの儀式をしないと石材店が工事をしてくれません。

どうしてもしたくないという場合は、閉眼供養無しでも工事をしてくれる石材店に依頼するしかありませんが、そうそういません。

あなたに菩提寺がいるのであれば、菩提寺に頼むようにしてください

菩提寺がお墓から遠方にある場合や、菩提寺がいない場合には「お坊さん派遣(僧侶派遣)サービス」を利用することをオススメします

お坊さん派遣(僧侶派遣)サービスとは、菩提寺がいない非檀家向けのサービスで、低額&明朗価格でお坊さんを派遣してもらえるサービスです

もちろん、このサービスを利用したからといって派遣されたお坊さんの檀家になる必要はありません。

派遣サービスを利用する場合は、あなたの希望日時に派遣をしてもらえます。

閉眼供養時に遺骨を持ち帰りたい場合は、石材店に遺骨出しを手伝ってもらうことになるので、石材店と日程を調整してから派遣依頼をするとスムーズです。

オススメの派遣会社については下記の記事をご参考ください。

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9.墓じまいの工事申請をする

閉眼供養及び工事の日程調整が完了したら、墓地管理者である自治会に連絡しましょう。

自治会によっては口頭で伝えるだけでOKなこともあれば、工事申請書類への記入が必要なこともあります。

また、工事完了時も口頭での報告だけでOKなこともあれば、完了写真をメールなどで送らなくてはいけないこともあるので確認しておきましょう。

10.お墓の閉眼供養(魂抜き)を行う

閉眼供養当日はお坊さんへお布施を渡すことになるので、事前に準備をしておきます

お布施の相場、包み方や渡し方のマナーについては下記の記事で詳しく解説しています。

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11.工事着工&遺骨を受け取る

いよいよ墓じまい工事着工です。

基本的に工事の立ち合いは不要です。

遺骨を受け取りに行く場合は、何時頃に取りに行けばいいかを石材店に聞いておきましょう。

また、工事完了後の写真が必要な場合は事前に石材店にその旨を伝え、送ってもらいましょう。

遺骨を持って新幹線に乗るのは大変という場合は「送骨」がオススメです。

日本国内では「ゆうパック」で遺骨を郵送できることをご存じでしたでしょうか。

編集長「こまど」
「送骨」については下記の記事で詳しく解説しています。
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12.「工事完了届」&「墓地返還届」の提出

共同墓地によっては工事完了後に自治会に「工事完了届」や「墓地返還届」を提出する場合があります。

工事完了届」は文字通り、工事が完了したことを報告する書類です。

墓地返還届」とは、墓地内で「あなたのお墓が建っていた場所の墓じまいが完了したので、この場所を自治会にお返しします」という意味の書類です。

そういった書類があるかないかは事前に自治会に確認しておきましょう。

編集長「こまど」
私の経験上は電話で完了した旨を伝えるだけでOKという共同墓地が多かったです。

 

13.遺骨を改葬先へ納骨する

最終ステップです。

お墓から取り出した遺骨を改葬先へ納骨しましょう。

改葬先には

  • 遺骨
  • 改葬許可証

を持参します。

改葬許可証を忘れてしまうと納骨できないので注意してください。

また、事前に遺骨だけ改葬先へ「送骨」している場合は、改葬許可証を持参するか、郵送で提出することになります。

「送骨」での受取可否は改葬先によって異なりますので事前に確認しておきましょう。

編集長「こまど」
「送骨」については下記の記事で詳しく解説しています。
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まとめ

共同墓地の墓じまいで一番大変なのが、墓地管理者である自治会を探すことです。

墓じまいはまだまだ先のこととお考えでも、墓地管理者は早めに探しておくことを推奨します。

いざという時に手続きを進められなくなってしまいますので。

共同墓地の墓じまいでお困りという方はぜひお気軽に下記お問合せフォームからご相談ください。

お墓が遠方にあるという場合でも大丈夫です。

編集長「こまど」
工事を安く対応してくれる石材店も全国で紹介できます。

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